砂時計 (アルバム)

宇徳敬子『砂時計』：ソロ活動の幕開けを飾る名盤

1994年10月10日にZAIN RECORDSからリリースされた宇徳敬子のファーストアルバム『砂時計』は、彼女のソロアーティストとしてのキャリアを本格的にスタートさせた記念碑的な作品です。当初は「蒼い時刻」というタイトルでリリースされる予定でしたが、最終的に『砂時計』として世に出されました。

アルバムの構成と特徴

このアルバムには、B.B.クィーンズやMi-Keでの活動を経て初めてのソロ作品となった「きれいだと言ってくれた」や、B.B.クィーンズのメンバーである近藤房之助とのデュエット曲「Good-by morning」のソロバージョンなど、全10曲が収録されています。宇徳敬子自身が作詞・作曲を手掛けた楽曲も多く、彼女のアーティストとしての多才さが際立っています。既発のシングル4曲も収録されており、アルバム全体を通して彼女の音楽的な才能を堪能できる内容となっています。

チャート成績と評価

『砂時計』は、オリコンチャートで初登場1位を記録し、初動16万枚、ハーフミリオンを突破するなど、商業的にも大きな成功を収めました。この作品は、宇徳敬子の作品の中で最もヒットしたアルバムであり、シングル・アルバムを通じて唯一オリコン首位を獲得した作品として、彼女のキャリアの中でも特別な位置を占めています。

収録曲の詳細

1. 夏の日の恋
2. きれいだと言ってくれた（関西テレビ系ドラマ「ホテルウーマン」挿入歌）
アルバム発売時には、シンセサイザーを弾きながら歌うミュージックビデオが制作されました。アルバム収録版は「ホテルウーマン オリジナルサウンドトラック」に収録されているものとはボーカルとアレンジが異なります。
3. まぶしい人（JR東海「プラスワンキャンペーン」CMソング）
レコーディングスタジオで歌う様子を収めたミュージックビデオが制作されました。
4. どこまでもずっと（TBS系「COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV」1994年7月～8月オープニングテーマ）
5. 蒼い時刻（とき）
複数のミュージックビデオが存在し、椅子に座って歌うものや、赤いタートルネックを着て歌うものなどがあります。
6. 愛さずにはいられない（TBS系「'94世界フィギュアスケート選手権大会」テーマ曲）
7. FARAWAY
8. 坂道
9. Good-by morning（関西テレビ制作・フジテレビ系ドラマ「ウーマンドリーム」挿入歌）
ソロバージョンとして新録音され、宇徳敬子のみが歌うミュージックビデオが制作されました。
10. あなたの夢の中 そっと忍び込みたい（NTT DoCoMo「ポケットベル」CMソング）

参加ミュージシャン

アルバム制作には、以下のような豪華なミュージシャンが参加しています。

ドラム: 渡嘉敷祐一
ベース: 明石昌夫、岡沢章、岡沢茂、渡辺直樹
アコースティックギター: 吉川忠英
エレクトリックギター: 増崎孝司 (from DIMENSION)、葉山たけし、中島正雄、鈴木英俊
ピアノ: 富樫春生、中西康晴、難波弘之
サックス: 勝田かず樹 (from DIMENSION)、古村敏比古
コーラングレ: 槇智子
コーラス: 栗林誠一郎 (from ZYYG)、宇徳敬子

音楽性と影響

『砂時計』は、宇徳敬子のソロとしての才能を存分に発揮した作品であり、彼女の音楽的なルーツや、後の活動への影響を理解する上で重要なアルバムです。バラードからアップテンポなナンバーまで幅広い楽曲が収録されており、宇徳敬子の表現力の高さを改めて認識することができます。このアルバムは、J-POPファンにとって必聴の作品と言えるでしょう。

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