碁経衆妙

碁経衆妙（ごきょうしゅうみょう）

『碁経衆妙』は、1812年（文化9年）に囲碁家元・林家11世林元美によって編纂された、日本を代表する詰碁の古典です。その特徴は、内容が難解すぎず、アマチュアにも理解しやすい点にあります。また、実戦で現れそうな形が数多く収録されているため、実践的な詰碁の力を養うのに適しています。

四大古典の一つ

『碁経衆妙』は、囲碁の四大古典（玄玄碁経、官子譜、囲碁発陽論）の一つに数えられています。四大古典の中でも、『玄玄碁経』と並んで取り組みやすいとされ、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。そのため、死活や手筋を学ぶための問題集として、何度も出版されてきました。

構成

『碁経衆妙』は、以下の部で構成されています。

生之部：生きる形に関する問題
死之部：死ぬ形に関する問題
劫之部：コウに関する問題
攻之部：攻めに関する問題
追落之部：追い落としに関する問題
盤之部：盤全体に関わる問題
夾・點・続・断・征之部：挟み、点、続き、断ち、シチョウに関する問題

これらの部を通じて、囲碁における基本的な死活、手筋、攻め、守りなど、総合的な力を養うことができます。

出版物

『碁経衆妙』は、様々な出版社から数多くの版が出版されています。以下はその一部です。

『碁経衆妙』（囲碁名著文庫6）池田書店　1983年
『応用死活集 : 新訂碁経衆妙. 〔上〕〔下〕 』（高川秀格解説）東京創元社　1956-57年
林元美／橋本宇太郎『改訂・碁経衆妙―詰碁の原典 』 ISBN 978-4381079725 （山海堂 2004年）
林元美／高木祥一解説『碁経衆妙　上下　原本現代訳』 ISBN 978-4315510256 ISBN 978-4315510263 （教育社新書 1989年）
『呉清源の碁経衆妙』三堀将編集、全4巻、池田書店　1974年
篠原正美『詰碁のいろは-碁経衆妙より-　ゴ・スーパーブックス32 』 （日本棋院　1976年）
林漢傑『古典詰碁の魅力』（日本棋院　2017年）

これらの出版物は、現代語訳や解説が加えられているため、古典に触れるのが初めての方でも安心して学習に取り組むことができます。

関連項目

玄玄碁経
官子譜
死活妙機
囲碁発陽論

これらの古典も、『碁経衆妙』と同様に、囲碁の学習において重要な役割を果たしています。

外部リンク

* 「碁経衆妙」１　1882年版（近代デジタルライブラリー）

『碁経衆妙』は、囲碁の腕を磨きたい全ての人にとって、必携の一冊と言えるでしょう。

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