確固たる支援任務

確固たる支援任務（Resolute Support Mission: RSM）

確固たる支援任務（RSM）は、北大西洋条約機構（NATO）がアフガニスタン・イスラム共和国の治安部隊（ANDSF）に対して実施する訓練、助言、支援を目的とした任務です。2015年1月1日に開始され、約12,500人の兵士が参加しました。この任務は、13年間にわたり約14万人が参加した国際治安支援部隊（ISAF）の後継として位置づけられます。ISAFは2014年12月28日に完了しており、RSMはアフガニスタンの治安維持能力の向上を目指しています。

指揮官

RSMの指揮官は、2018年から2021年までオースティン・S・ミラー大将が務めました。ミラー大将は元デルタフォースの指揮官であり、その経験を活かして任務を遂行しました。

アメリカ軍の役割

アメリカ軍は、RSMにおいてANDSFの訓練・支援に加えて、対テロ作戦「自由の番人作戦」（Operation Freedom Sentinel）も展開しました。これにより、アフガニスタンの治安維持とテロ対策の両面で貢献しました。

法的根拠

RSMの作戦計画は、2014年6月にNATO加盟国の外務大臣によって承認されました。同年9月30日には、アフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領とNATO上級文民代表のマウリッツ・ヨヘムスが地位協定に署名しました。また、国際連合安全保障理事会は、アフガニスタンにおける新たな国際任務を支援するため、国連安保理決議第2189号を満場一致で承認しました。

目的

RSMの主な目的は、アフガニスタン治安部隊（ANSF）とアフガン安全保障機関（ASI）の能力向上です。具体的には以下の8つの基本機能に焦点を当てて活動が行われました。

1. プログラムの複数年予算と執行: 長期的な視点での予算計画と実行。
2. 透明性、説明責任、監督（汚職防止）: 汚職防止のための透明性確保と責任体制の構築。
3. ASIの文民支配: 軍隊が文民の統制下にある状態を目指す。
4. 実力養成: 兵士の募集、訓練、能力開発。
5. 維持: 兵站と装備の維持管理。
6. 戦略と政策立案、資源配分、執行: 戦略策定から資源配分、実行までのプロセスを強化。
7. 諜報: 情報収集と分析能力の向上。
8. 戦略コミュニケーション: 効果的な情報発信とコミュニケーション戦略の構築。

配置

RSMには、NATO加盟国と協力国から約12,000人の兵力が参加しました。任務の中心はカーブルとバグラム空軍基地で、そこから4つの訓練助言支援コマンド（TAACs）が各地域を支援しました。

TAAC首都: カーブルを中心に活動。ISAFの首都方面軍を改編。
TAACイースト: ジャララバード近郊のガンベリ基地とフェンティ基地から第201軍団を支援。第203軍団にも助言を提供。
TAACサウス: カンダハール国際空港から第205軍団を支援。第215軍団も監督。
TAACウェスト: ヘラートで第207軍団を支援。
TAACノース: マザーリシャリーフから第209軍団を支援。ドイツ陸軍のハラルド・ガンツ准将が指揮。

いくつかのTAACは、ISAF終了前から設立されており、継続的な支援体制を構築しました。

兵力

2018年時点で、NATOはアフガニスタン国内に約16,000人の兵力を派遣していました。これにより、アフガニスタンにおける治安維持と安定化に貢献しました。

外部リンク

Resolute Support Misson - 公式ウェブサイト
Resolute Support Mission (ISAF) - Facebook
Train Advise Assist Command-East (TAACEast) - Facebook
Train, Advise and Assist Command - South (ISAF.RCSouth) - Facebook
国際連合「Security Council, Adopting Resolution 2189 (2014), Welcomes NATO-Afghan Government Agreement to Establish Post-2014 Non-Combat Mission」

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