磐石熊太郎

磐石 熊太郎：大相撲界の力士

磐石熊太郎（ばんじゃく くまたろう、本名：小六 熊雄）は、1908年5月23日に大阪府大阪市此花区で生まれ、1944年9月26日に亡くなった。彼は大相撲界で特に名を馳せた力士であり、朝日山部屋に属していた。熊太郎の最高位は東関脇であり、176cmの身長と140kgの体格を持ち、得意の取り口は左四つからの吊り詰めや寄りを用いて活躍した。

来歴

熊太郎は1923年に朝日山部屋に入門し、1927年の東西合併に際して東京に移籍。その際、彼の地位は三段目の11枚目だった。大阪から東京に転籍した力士の中で将来を期待される存在として、ひたむきに努力を重ねた彼は、1929年5月に新十両として名を馳せた。当初、十両では多数の出羽海部屋系統の力士との対戦が多く、思うように昇進できなかったが、春秋園事件により一時脱退し復帰した後、再び成績を上げ、1934年5月には新入幕を達成した。これにより、東西合併で大阪から東京に参加した最後の幕内力士となった。

戦績と取り口

彼の強みは左四つからの寄り相撲であり、時折横綱・玉錦との白熱した対戦も見られた。1938年5月場所では新関脇に昇進したが、30歳という年齢であったため、昇進には慎重な見方もあった。特に玉錦との対戦では、一度水入りを経て左膝を負傷し、そのまま不戦敗となってしまう。休場から再出場した際には思うように勝ちを重ねられず、自然と大関昇進の声が遠のいてしまった。しかしその後も幕内上位を維持し、地道な人柄もあって地味ながらも人気のある力士であった。

1939年1月には大関・鏡岩との対戦で水が入り、取り直しとなった際には自らも棄権を申し出るという武士道的な態度が評価された。引退は1943年1月で、その後は年寄・北陣を名乗った。しかし、翌年に36歳の若さでこの世を去った。

私生活

熊太郎の妻は愛知県出身で唄方の満佐で、彼らの間には4人の子どもがいた。長男はアナウンサーとして知られる小六英介で、娘は后に大関・琴ヶ濵に嫁いだ。また、孫も力士として活躍し、四股名「琴宇草」で三段目で優勝を飾ったが、祖父や父の後に続く関取昇進は果たせなかった。

主な成績

通算成績は206勝207敗9休、勝率は0.499であり、幕内成績は106勝123敗9休、勝率は0.463を記録している。現役時代には42場所にわたって在位し、幕内では18場所、三役には1場所関わった。

改名歴

• - 東潟熊太郎（あずまがた くまたろう）：1927年1月場所-1931年3月場所
• - 盤石熊太郎（ばんじゃく くまたろう）：1931年5月場所-1932年10月場所
• - 磐石熊太郎（ばんじゃく くまたろう）：1933年1月場所-1943年1月場所

彼の栄光の歴史は、力士としての努力だけではなく、相撲界での人道精神も示すものであり、今日の相撲界においてもその功績は忘れられない。

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