磯貝静蔵

磯貝静蔵

磯貝静蔵（いそがい せいぞう）は、1850年（嘉永3年）に美濃国大垣藩で生まれ、1910年（明治43年）8月17日に亡くなった人物です。幕末には大垣藩士として、戊辰戦争に参加し、明治時代には官吏として活躍しました。最終的な位階は正四位、勲等は勲四等です。

生い立ちと幕末の活動

磯貝静蔵は、大垣藩士の磯貝六右衛門の子として誕生しました。若い頃から小原鉄心に従い、天狗党の乱の鎮圧や長州征討、伏見の戦いなど、幕末の動乱期に武士として活躍しました。これらの経験は、後の彼の人生に大きな影響を与えたと考えられます。

明治維新後の官吏としての活動

明治維新後、磯貝静蔵は官吏としての道を歩み始めます。初めは大垣政事堂監督兼書記を務め、その後、横浜税関吏として勤務しました。1874年（明治7年）には神奈川県権大属に任じられ、添田知通、野口豊、今西相一らと共に県の行政に携わりました。その後も、大属、一等属、少書記官、大書記官と昇進を重ね、内務書記官や茨城県書記官などを歴任しました。1890年（明治23年）には茨城県会計主務官代理および逓信費会計主務官代理を務めるなど、行政官としての手腕を発揮しました。

台湾での活動

1891年（明治24年）4月、磯貝静蔵は島根県書記官を経て、台湾総督府に転出します。台湾では、台南県知事に任命され、1898年（明治31年）には嘉義県知事を兼任しました。その後、鳳山県知事を務め、1900年（明治33年）2月に官を辞しました。台湾での知事としての活動は、その後の台湾の行政に大きな影響を与えたと考えられます。

その後

官を辞した後、磯貝静蔵は伯爵戸田氏共の家令となり、1910年（明治43年）8月に病没しました。墓所は東京都文京区小石川の善仁寺にあります。彼の人生は、幕末から明治という激動の時代を生き抜き、武士から官吏へと転身し、台湾の行政にも携わった、多岐にわたるものでした。

栄典

磯貝静蔵は、以下の位階を授与されています。

1879年（明治12年）：正七位
1882年（明治15年）：従六位
1888年（明治21年）：正六位
1910年（明治43年）8月17日：正四位

参考文献

大植四郎 編『国民過去帳 明治之巻』尚古房、1935年。
上田正昭ほか 監修『講談社日本人名大辞典』講談社、2001年。ISBN 4062108496。

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