磯部尚

磯部尚の概要

磯部尚（いそべ ひさし、1875年11月23日 - 1935年11月1日）は、日本の政治家であり、優れた弁護士でもあります。彼は立憲政友会に所属した衆議院議員であり、また弁護士の磯部四郎の娘婿としても知られています。

経歴

磯部は福井市に士族の日比登の二男として生まれました。彼は1887年に私立長岡学校を卒業し、京都帝国大学の教授である日比忠彦を兄に持っています。さらに、第一高等学校を経て、1898年には東京帝国大学法科大学を無事に卒業しました。この卒業後、彼はすぐに弁護士としてのキャリアを始め、敏腕な法律家として知られるようになりました。

彼の個人的な生活では、弁護士でかつ貴族院議員であった磯部四郎の長女、艶子との結婚によって姓を改めました。磯部は本所区会議員、東京市会議員としての経験を経た後、1917年に行われた第13回衆議院議員総選挙に出馬、見事に当選を果たしました。彼はその後も衆議院議員として4回当選を重ね、ここに彼の政治家としてのキャリアの基盤が築かれます。そして、田中義一内閣において司法参与官としての職務も果たしました。1934年3月11日には議員在職のままその生涯を終えました。

家族

磯部の家庭は非常に学問に恵まれたものであり、彼の父である日比登は福井藩士であり、兄の日比忠彦は著名な建築学者として知られています。日比忠彦は帝国大学工科大学土木工学科を卒業後、京都帝大の助教授を経て教授に昇進し、工学博士号を授与されました。彼は鉄筋コンクリートの研究において権威とされていましたが、1921年に49歳で他界しました。

磯部の妻、艶子は磯部四郎の長女であり、結婚後も彼を支え、家庭を築くことに努めました。さらに、彼の子供である坂東市太郎二代目（1898-1974）は歌舞伎役者として名を馳せ、本所で誕生しました。坂東は中芝居や旅回りを経て、戦後には十七代目中村勘三郎の一門に属し、脇役として多くの舞台で活躍した経歴を持っています。

脚注

磯部尚の人生は、法曹界と政治界での両方の成功を収めた例として評価されています。彼の業績と家庭の背景を知ることで、日本の近代史における彼の立場がより理解できるでしょう。

参考文献

坂本箕山『現代名士人格と修養』帝国文学通信社、1920年。

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