礫群

磊群（れきぐん）についての詳細

礫群は、日本列島の後期旧石器時代、特にその後半において頻繁に見られる遺構の一つです。これは、こぶし大の礫やその破片が集まって分布している状態を示し、多くの場合、礫には熱が加わった跡や色素が付着した変化が見られます。これらは、調理用の食材を覆って蒸し焼きにする工程の痕跡であると考えられています。

縄文時代にも同様の調理跡と見られる礫群が存在しますが、これらは「集石」または「集石遺構」として区別されています。礫群は、密接にあるいは重複して出土し、直径が0.4メートルから2メートルといった広範囲を持つものが多く、東京都小金井市の前原遺跡Ⅳ中層では、直径8メートルを超える大規模な礫群が確認されています。この後期旧石器時代の遺構は、武蔵野台地の立川ローム層Ⅴ層からⅣ中層にかけて特に多く見られます。

礫の破片は、同じ礫群内だけでなく、他の礫群に接合することがあり、これは破砕された後にも使われ続けたことを示しています。

配石とその特徴

配石は、被熱の痕跡が見られない礫の集まりが、一定の範囲に分布している状態を指します。基準は必ずしも明確ではありませんが、一般的には礫群に使われることの少ない大型の礫が、密集せずに存在することが求められます。例えば、東京都東久留米市の自由学園南遺跡や神奈川県藤沢市南葛野遺跡などの後期旧石器時代の例が挙げられ、そこでは複数の磨石がまとまって出土した事例が報告されています。また、神奈川県相模原市の田名向原遺跡では、炉跡や柱穴を伴う円形の配石が住居跡の一部として認められ、同様の円形配石が神奈川県小保戸遺跡でも見つかっています。

配石炉（石囲炉）の意義

配石炉は、大型の礫を円形に配置し、その中心に炭化材などが確認される構造物です。この構造物は、配石とは異なり被熱痕跡が見受けられる点で注目されます。後期旧石器時代の後半には、神奈川県愛甲郡清川村のサザランケ遺跡や静岡県駿東郡長泉町の野台遺跡、長野県上水内郡信濃町の上ノ原遺跡、静岡県沼津市の休場遺跡などで報告されています。これらの遺跡では、古代の人々がどのように火を使い、食物を調理したかを知る手がかりとなります。

結論

礫群は、古代の人々の生活や調理法を理解するための重要な遺構であり、それぞれの地域で見られる特有の形態は、日本列島の歴史的な側面を照らし出します。これらの発見は、考古学的研究においても大きな価値を持ち、我々が過去の生活様式を知るための貴重な情報源となっています。

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