祝重正

祝重正（はふり しげまさ）について

祝重正は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、織田氏に仕えた家臣として知られています。出身地は尾張国であり、古くから織田信長の側近として奉行などに尽力しました。その生涯は、武勲と文化の両面にわたり多彩な業績を残しています。

初見

祝重正の初めての記録は『信長公記』の巻首に見られ、天文年間後期に行われた津島の盆踊り大会で、彼が鷺の鳴き声を巧みに模倣する芸を披露したとされています。この記録は、重正が有名な武将であると同時に芸人としても知られていたことを示しています。

信長に仕える

天正元年（1573年）9月10日、重正は信長の命により、狙撃によって信長を負傷させた杉谷善住坊の尋問を行いました。この尋問では、菅屋長頼と共に行動し、最終的には杉谷を鋸挽きで処刑することになりました。重正が直接手を下したこの事件は、彼の忠義と武力行使の一端を物語っています。

また、重正は外交面でも重要な役割を果たしました。彼は陸奥国の伊達氏との連絡係として活動し、同年10月には伊達輝宗から贈り物を受け取るなど、信長のために外交交渉に努めました。

軍事活動

天正6年（1578年）、重正は播磨国の神吉城攻めに参加し、検使の大津長昌と共に軍の検分を行いました。この際、菅屋長頼や矢部家定、万見重元、長谷川秀一と番替をしながら重要な任務を果たしました。彼の戦略的な判断や指揮能力がこの軍事行動に示されたことでしょう。

天正9年（1581年）には、稲葉通明や高橋虎松と共に所領が加増され、信長への忠誠が実を結んだ形となりました。これにより、重正の地位はさらに強固なものとなり、彼の影響力も増していきました。

本能寺の変以降

天正10年（1582年）、本能寺の変で信長が倒れた後、重正は信長の次男である信雄に仕えました。彼は尾張の稲葉に550貫文の知行を与えられ、再び職務に励みました。しかし信雄が没落すると、重正は豊臣秀吉の元に仕官したとされています。『太閤記』には、文禄2年（1593年）4月9日に名護屋城で行われた能楽会での重正の姿が記録されており、彼が文化的活動にも関与していたことを示しています。

また、文禄・慶長の役にも同行した記録が残されており、重正の武将としての活動は多岐にわたっていました。彼の人生の終焉に関する記録は残っておらず、没年も不明です。しかし、その足跡は日本の歴史の中で重要な一ページを占めています。

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