神奈川県立歴史博物館

神奈川県立歴史博物館

神奈川県立歴史博物館（かながわけんりつれきしはくぶつかん）は、神奈川県横浜市中区南仲通に位置する文化と歴史をテーマにした博物館です。1867年に神奈川県立博物館として開館し、その後、日本における総合博物館としての先駆的な役割を果たしてきました。1995年に自然史関連の資料が分離され、現在は人文学に特化した歴史博物館として再編されています。特に、横浜で貿易を営んでいた丹波恒夫が収集した6,000点を超える浮世絵コレクションが魅力の一つです。

建物の歴史

博物館が所在する建物は、歴史主義建築の一例であり、明治30年代のドイツの近代洋風建築の影響を色濃く受けたものです。もともとは1900年に着工され、1904年に完成した横浜正金銀行の本店として使用されていました。設計は妻木頼黄、工事監督は遠藤於莵が担当したこの建物は、古典主義の様式を取り入れています。

1923年には関東大震災に見舞われ、火災によってドームが焼失しましたが、その後も横浜正金銀行を引き継いだ東京銀行が1947年まで利用しました。1964年に神奈川県がこの建物を取得し、増築と改修を行い、焼失したドーム屋根が復元されました。そして、1967年に神奈川県立博物館として正式に開館しました。

文化財指定

1969年には「旧横浜正金銀行本店本館」として国の重要文化財に指定され、その後1995年には「旧横浜正金銀行本店」として国の史跡にも指定されています。この建物は、設計が優れており、外観がよく保存されています。また、明治以降の建築物を含む遺跡として国から史跡指定を受けた初めての例でもあります。

基本情報

• - 竣工年: 1904年（明治37年）
• - 構造: 石・煉瓦造、地上3階、地下1階、中央に八角塔屋が設置されています。
• - 建築面積: 1,998.3平方メートル

デジタルアーカイブ

神奈川県立歴史博物館では、所蔵する資料や刊行物の一部をオンラインで公開しています。特に、考古学に関する研究報告や赤星直忠氏による考古学資料がデジタルアーカイブとして提供されているのが特徴です。これにより、博物館の資料を容易にアクセスできるようになっています。

アクセス

博物館へのアクセスは非常に便利で、みなとみらい線の馬車道駅から徒歩1分、横浜市営地下鉄ブルーラインの関内駅からは徒歩5分です。また、JR根岸線の関内駅及び桜木町駅からも徒歩8分程度で到着可能です。公共交通機関を利用すれば、訪問は容易です。

関連項目

神奈川県立歴史博物館は、他の重要な文化財や史跡と近隣に位置しています。特に、旧川崎銀行横浜支店（損保ジャパン横浜馬車道ビル）は、本館の南隣に位置し、建築家矢部又吉が本館の設計者である妻木頼黄に師事したことでも知られています。

このように、神奈川県立歴史博物館は、建物そのものの歴史や文化的重要性、収蔵されている浮世絵コレクションなど、多岐にわたる側面で訪れる人々を魅了しています。

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