神宮 (名古屋市)

神宮（じんぐう）

愛知県名古屋市熱田区の南東部に位置する町名で、一丁目から四丁目が設置されています。この地域は、その名の通り、日本有数の古社である熱田神宮の門前町として古くから栄えてきました。現在の町名は、熱田神宮のお膝元であることに由来し、神宮と共に今後も発展していくことへの願いを込めて名付けられたとされています。

地理

神宮は熱田区の南東部に位置し、多様な町域と接しています。東側は三本松町、花表町、そして瑞穂区の桃園町に面しています。西側は白鳥二・三丁目や旗屋町と接し、南側は伝馬一・二丁目、北側は森後町に隣接しています。町域の北側には新堀川が流れており、地域の水辺景観を形成しています。

特に神宮一丁目は、その全域が広大な熱田神宮の境内地となっており、神聖な空間が広がっています。一方、JR熱田駅に近い三丁目には、熱田区役所をはじめとする名古屋市の主要な公共施設が集積しており、地域の行政・文化の中心地としての役割も担っています。

歴史

神宮という町名は、この地が熱田神宮の門前として発展してきた歴史を象徴しています。現在の行政地名としての「神宮」一丁目から四丁目は、比較的近年になって成立しました。具体的には、1981年（昭和56年）9月20日に住居表示が実施され、それまで存在した熱田新宮坂町の全域と、熱田東町、市場町、白鳥町、新宮坂町、伝馬町、中瀬町、旗屋町、森後町のそれぞれ一部地域を再編して設置されました。

この再編により、各丁目は以下のように構成されています。

一丁目: 熱田東町、市場町、白鳥町、新宮坂町、中瀬町、旗屋町、森後町の各一部から成立。
二丁目: 市場町、新宮坂町、伝馬町、中瀬町の各一部から成立。
三丁目: 熱田東町、新宮坂町、森後町の各一部から成立。
四丁目: 熱田新宮坂町の全域に加え、熱田東町、新宮坂町、伝馬町の各一部から成立。

このように、複数の旧町域が統合・再編されることで、現在の神宮の町割りが形作られています。

主な施設

神宮地域には、各丁目に特色ある様々な施設が存在します。

神宮一丁目:
熱田神宮（日本有数の古社）
熱田神宮会館
熱田神宮宝物館
熱田神宮學院
（境内社多数）

神宮二丁目:
円通寺
蔵福寺
海国寺
栄立寺
喜見寺（複数の寺院が集まるエリア）

神宮三丁目:
熱田区役所等複合施設（あったかプラザ）
熱田区役所
熱田保健センター
名古屋市熱田図書館
名古屋市熱田文化小劇場
名古屋市教育センター
神宮前商店街
あつたnagAya（商業施設）
きよめ餅総本家（老舗和菓子店）

神宮四丁目:
名古屋市上下水道局熱田ポンプ所
熱田郵便局
名古屋工学院専門学校
BOOKOFF PLUS熱田国道1号店
名古屋法務局熱田出張所

交通

神宮は、交通利便性にも優れています。町域内には名古屋市営地下鉄名城線の駅が2つあり、

熱田神宮伝馬町駅
熱田神宮西駅

が利用可能です。また、町域に隣接して、JR東海道本線の熱田駅（森後町所在）や、名鉄名古屋本線・常滑線の神宮前駅（三本松町所在）といった主要駅があり、広範囲へのアクセスが容易です。

道路網としては、主要な幹線道路が複数通過・接続しています。

国道1号
国道19号・国道22号（伏見通）
愛知県道224号熱田停車場線
愛知県道226号熱田停車場伝馬線（大津通）

かつて県道226号に接続していた山手グリーンロードは、神宮前北交差点が始点でしたが、隣接地の鉄道踏切が廃止されたため、現在は自動車での通り抜けはできなくなっています。

その他

郵便番号は456-0031であり、集配業務は熱田郵便局が担当しています。

神宮地域は、熱田神宮を中心とした歴史・文化的な景観と、区役所などの公共施設や商業施設が集積する都市機能、そして複数の鉄道路線や主要道路が交差する交通の要衝という、多様な顔を持つエリアと言えます。熱田神宮への参拝者はもちろん、地域住民にとっても生活の拠点として重要な役割を果たしています。

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