神川丸 (特設水上機母艦)

神川丸（かみかわまる）

神川丸は川崎汽船が運用していた特設水上機母艦及び特設航空機運搬艦で、日本の船舶史において非常に重要な位置づけを持ちます。最初の神川丸は1937年に竣工し、ニューヨーク定期航路での活動を開始しましたが、日中戦争の影響により商業航路の運行は短期間で終了しました。2代目神川丸は1951年に建造され、北米航路での活躍後、パナマ企業に売却され1979年に解体される運命にあります。また、現在は三代目としてRO-RO船が運行され、大阪港と釧路港を結んでいます。

概要

川崎汽船は1919年に設立され、翌年からの拡張により、優れた船隊を整備すべくさまざまな船を建造しました。特に、1935年に就役したタンカー「建川丸」を皮切りに新鋭船の投入を進め、1937年には神川丸が完成しました。神川丸は4隻の姉妹船と共に「神聖君國」に由来する名を冠し、ニューヨークへの航路に就航するも日中戦争により商業航海はわずか2回にとどまりました。

日中戦争での活動

日中戦争が勃発した後、神川丸は日本海軍に徴用され、水上機母艦としての役割を担いました。佐世保から出港し、中支方面の戦闘に参加し、杭州湾や南京の上陸戦を支援しました。戦局が変わる中で、軍用列車や船舶への攻撃を行い、多大な戦果を挙げる一方、艦内に酒保を設置する申請も行われました。1939年には海南島攻略作戦にも参加し、洋上の哨戒活動を実施しました。

太平洋戦争での活動

1941年からは太平洋戦争が本格化し、神川丸もその一翼を担いました。改装を経てカタパルトを装備し、複数の水上機を搭載することが可能になりました。マレー半島への上陸作戦では、船団護衛や索敵など、重要な役割を果たしました。

沈没

1943年、神川丸はラバウル向けの物資を積んで出港するも、アメリカの潜水艦スキャンプによる攻撃を受け、最終的には沈没に至りました。日本海軍における重要な艦隊の一つとして、その活動は海軍史に名を刻んでいます。神川丸の艦長は数回交代し、その活躍ぶりは多くの資料に記されることとなりました。沈没後の解傭は1943年7月15日となりました。

神川丸は単なる貨物船以上の存在であり、その戦争の歴史とともに生き、また沈んでいった艦船であります。今後、神川丸を追いかけてその影響や役割をさらに深く掘り下げていく必要があります。

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