神戸ビエンナーレ

神戸ビエンナーレとは

神戸ビエンナーレは、2007年から2015年まで、2年に一度開催されていた現代美術を中心とした国際的な芸術文化の祭典です。神戸市中央区を舞台に、10月初旬から11月末頃まで開催され、多様な芸術分野を包括する点が特徴でした。阪神・淡路大震災からの復興を遂げた神戸市が、芸術文化都市としての新たな飛躍を目指すため、2007年に第一回が開催されました。

特徴

神戸ビエンナーレの大きな特徴は、現代アートだけでなく、生け花や書道といった日本の伝統芸術、デザイン、ファッションなど、幅広い分野を対象としていた点です。さらに、大道芸や児童絵画、洋菓子のデザイン、コミックイラストなど、従来のハイアートの世界では扱われなかった現代文化も取り込みました。これは、多様な文化の玄関口として発展してきた港町・神戸の特性を表現しようとした試みと言えるでしょう。

また、国際コンペティション形式で広く一般から作品を選出していた点も特徴です。世界各地で著名なアーティストやキュレーターが主導するビエンナーレが多い中、神戸ビエンナーレは若手アーティストの発掘・育成に重点を置きました。

歴史と終幕

神戸ビエンナーレは、阪神大震災の復興を芸術面から支援する役割も担っていましたが、寄付金の減少などにより、2015年の第5回をもって終了しました。震災からの復興という一つの区切りを迎えた形となりました。

各回の詳細

以下に各回の開催情報を示します。

神戸ビエンナーレ2015

会期: 2015年9月19日～11月23日 (66日間)
会場: 神戸市中央区（メリケンパーク・ハーバーランドエリア、東遊園地・フラワーロードエリア、ミュージアムロードエリアなど）
テーマ: スキ。[su:ki]
主催: 神戸ビエンナーレ組織委員会、神戸市
共催: 兵庫県
来場者数: 383,339人
コンペティション: アートインコンテナ、しつらいアート、創作玩具、グリーンアート、現代陶芸、ペインティングアート、コミックイラストなど
企画展示: 入賞作家招待作品展
イベント: 招待作家による展示やイベント
招待作家: 土佐尚子、John Hathway

神戸ビエンナーレ2013

会期: 2013年10月1日～12月1日
会場: 神戸市中央区（メリケンパーク・神戸港エリア、兵庫県立美術館・ミュージアムロードエリア、三宮・元町エリアなど）
テーマ: さく “saku”
主催: 神戸ビエンナーレ組織委員会、神戸市
共催: 兵庫県
入場者数: 369,455人
コンペティション: アートインコンテナ国際展、しつらいアート国際展、神戸港・海上展、ペインティングアート展、グリーンアート展、現代陶芸コンペティションなど
イベント: 神戸佳族のアート展、お菓子でアートウォーク、神戸アートマルシェなど
招待作家: たほりつこ，John Hathway，高須賀昌志

神戸ビエンナーレ2011

会期: 2011年10月1日～11月23日
会場: 神戸市中央区（神戸ハーバーランド、ポーアイしおさい公園、兵庫県立美術館など）
テーマ: きら kira
主催: 神戸ビエンナーレ組織委員会、神戸市
共催: 兵庫県
入場者数: 242,766人
コンペティション: アートインコンテナ国際展、しつらいアート国際展、グリーンアート展、大道芸、現代陶芸展など
企画展示: 招待作家展 REFLEXIONEN　ひかり いろ かたち、日本画展、工芸展など
イベント: きらkiraコンサート、ヘア・アートコレクション、琉球舞踊など
招待作家 (REFLEXIONEN): オットー・ピーネ、元永定正、ZERO（ハインツ・マック、ギュンター・ユッカー）など
招待作家 (チャンネル2): イチハラ・ヒロコ，大西伸明

神戸ビエンナーレ2009

会期: 2009年10月3日～11月23日
会場: 神戸市中央区（メリケンパーク、兵庫県立美術館ギャラリー、神戸港など）
テーマ: わ　Wa
主催: 神戸ビエンナーレ組織委員会、神戸市
共催: 兵庫県
入場者数: 164,434人
コンペティション: アートインコンテナ国際展、グリーンアート展、大道芸、現代陶芸展など
企画展示: CANあーつ〜障がいのある人たちの表現、いけばな未来展など
イベント: 特設ステージイベント、音のわコンサート、ヘア・アートコレクションなど
招待作家: 奥田善巳、榎忠、藤本由紀夫、笠木絵津子など

神戸ビエンナーレ2007

会期: 2007年10月6日～11月25日
会場: 神戸市中央区メリケンパーク
テーマ: 出合い　人・まち・芸術
主催: 神戸ビエンナーレ組織委員会、神戸市
入場者数: 14万4000人
コンペの種類: アート・イン・コンテナ、エイブル・アート、ユニバーサルデザイン・ポスター、大道芸など

市民ボランティア

会場運営の一部は、市民ボランティアによって行われていました。第一回開催から神戸ARTサポーターズが組織され、会期中の会場運営や作品制作サポート、広報活動などを行っていました。その後、2014年に神戸ARTサポーターズは解散し、新たに神戸ビエンナーレCheersが組織されました。

国際交流

神戸ビエンナーレは、第一回から韓国の光州ビエンナーレと連携を行っていました。2012年には相互に作家の招待展を行う覚書を調印し、国際的な交流も活発に行っていました。また、友好都市である中国・天津市からも作家を招き招待展を行いました。

その他

神戸ビエンナーレは、2010年度グッドデザイン賞を受賞するなど、その活動は高く評価されていました。また、国際ビエンナーレ協会にも加盟し、国際的な美術の振興に貢献していました。

神戸ビエンナーレの開催は終了しましたが、その精神は神戸の芸術文化に大きな影響を与え、その功績は今もなお語り継がれています。

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