神戸市営地下鉄海岸線

神戸市営地下鉄海岸線の概要

海岸線は兵庫県神戸市の新長田駅から三宮・花時計前駅までを結ぶ地下鉄路線で、正式名称は都市高速鉄道10号海岸線。愛称として「夢かもめ」が用いられ、ラインカラーはブルーです。路線記号はKであり、神戸の交通網に欠かせない存在となっています。

開業と背景

海岸線は、2001年7月7日に新長田駅から三宮・花時計前駅間が開業しました。この路線の建設は、神戸の中央区、兵庫区、長田区の再開発を目的としており、一般的な地下鉄よりも小型のリニアモーター式を採用しています。開業当初から、ノエビアスタジアム神戸へのアクセスを意識してデザインされており、御崎公園駅はその最寄り駅です。

音サインシステム

特徴的な点として、駅構内では「音サイン」と呼ばれる音声案内システムが全駅で導入されています。これには出入口、案内コーナー、改札口、トイレ、階段、エレベーター、そして時報が含まれ、利用者の利便性を高めています。特にエレベーターには独自のアナウンスがあり、時報も決まった時間に鳴ります。

路線データ

• - 路線距離: 7.9 km
• - 駅数: 10駅
• - 運行形態: 自動列車運転装置 (ATO) による都市型ワンマン運転
• - 混雑率: 2023年度の混雑率は約108%（ハーバーランド駅→中央市場前駅間）
• - 最高速度: 70 km/h

海岸線は全区間が複線でまた電化されており、基本的に各駅のプラットフォームは将来的に6両編成にも対応できる設計になっています。そのため、今後の利用者増加に備えた準備も進められています。

利用状況

海岸線の利用状況は厳しく、一日平均乗車人員が2001年度の初期設定では予想されていた8万人、この数字は実績として34,446人と大きく乖離しました。利用者数は2020年には新型コロナウイルスの影響を受けて減少しました。これらのデータから明らかなように、海岸線は地域の復興や発展に貢献するための役割が大きいものの、依然として赤字が続いています。

女性専用車両の導入

2002年より、三宮・花時計前駅方面の先頭車両に女性専用車両が設定されており、全国初の試みとして注目を集めています。イベント時には混雑が予想されるため、一定条件下で解除されることもあります。

利用促進の取り組み

神戸市では海岸線の利用促進を目的とした社会的な実験が行われており、例えば中学生以下の運賃無料化（2017年）や、さまざまな切符の販売といった対策が取られています。特に「エコファミリー制度」や「都心回遊切符」は、家族連れや観光客の利用を促進する施策として継続されています。

現在の課題と未来の展望

今後の課題としては、沿線人口の低迷や、利用者の自動車への移行が挙げられます。また、ハーバーランド駅や三宮・花時計前駅での乗り換えへの抵抗感も利用促進には障壁となっています。ただし、利用促進策が徐々に功を奏しつつあり、今後の発展が期待されます。

このように、神戸市営地下鉄海岸線は地域の復興と利便性向上を目指す取り組みを続けています。

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