神武不殺の剣戟士

神武不殺の剣戟士

『神武不殺の剣戟士』は、高瀬ききゆ先生が執筆し、有坂あこ先生がイラストを担当したライトノベル作品です。エンターブレインのファミ通文庫から2014年2月から8月にかけて全2巻が刊行されました。本作は、第15回エンターブレインえんため大賞小説部門において、『帝都剣戟モダニズム』というタイトルで特別賞を受賞しています。

あらすじ

物語の舞台は、新式蒸気機関により二度目の近代化を謳歌する帝都オオエド。薩摩から剣術修行のためにやってきた少年、清水龍人は、悪党を自称しながらも刀剣犯罪を取り締まる剣士を育成する帝都剣術学校、通称「帝剣」に入学します。そこで龍人は、天才剣士として名高い星村千歳と出会います。

しかし、警邏中に殺人現場に遭遇したことで、龍人は帝都を騒がせる辻斬り犯「怪人赤マント」と間違われ、千歳と戦うことになってしまいます。この怪人赤マント事件をきっかけに、神武不殺を理想とする清水龍人の覚悟が試されていくことになります。

登場人物

清水 龍人（しみず りゅうと）

本作の主人公。帝剣の一年生で、自称悪党。薩摩の示現流を使い、愛刀は満鉄刀。
星村 千歳（ほしむら ちとせ）

帝剣の一年生。美少女であり、天才剣士として知られています。オオエド三大流派の一つ、北辰一刀流の使い手で、愛刀は源清麿。
花沢 錬次郎（はなざわ れんじろう）

女言葉で話す帝剣の一年生。龍人のルームメイト。二天一流の剣士で、4尺あまりの野太刀・長船長光を操ります。
藤堂 百合花（とうどう ゆりか）

帝剣の一年生。筆記試験で一位を獲得した優等生で、生徒会役員を務めています。愛刀はレイピア。
荒神 静穂（あらがみ しずほ）

帝剣の一年生。小柄で物静かな少女。百合花のルームメイト。鹿島神傳直心影流の使い手で、巨大な金砕棒を軽々と扱います。
大柳 小鹿（おおやぎ ころく）

生徒会長を務める帝剣の三年生。普段はサボってばかりいるため、流派を破門され剣術を禁じられています。
風祭 久遠（かざまつり くおん）

生徒会副会長を務める帝剣の三年生。正座居合の大森流の剣士で、愛刀は埋忠明寿。常に台車の上に正座し、黒子に押させて移動しています。
浅木 春芽（あさぎ はるめ）

「かんらかんら」という笑い声が特徴的な帝剣の一年生。千歳のルームメイト。天然理心流の使い手で、愛刀は繁慶。北辰一刀流を憎んでおり、千歳に決闘を挑みますがあっさりと敗北します。

用語解説

帝剣（ていけん）

正式名称は帝都剣術学校。帝都における辻斬りを取り締まるため、生徒はルームメイトと二人一組で警邏活動を行います。
新式蒸気機関

高温高圧の蒸気を動力に変換する機構。本作の舞台となる帝都の近代化を支える重要な技術です。
* 怪人赤マント事件

帝都の裏路地で発生している女性を狙った事件。赤い雨合羽を着た不審人物が目撃されています。

既刊一覧

1. 『神武不殺の剣戟士 アクノススメ』 (2014年2月28日発売, ISBN 978-4-04-729456-1)
2. 『神武不殺の剣戟士 アイノススメ』 (2014年8月30日発売, ISBN 978-4-04-729786-9)

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