神田義英

神田 義英

香川県高松市出身の元プロ野球選手（投手）。1979年2月27日生まれ。社会人野球の強豪チームを経てプロ入りし、千葉ロッテマリーンズでリリーフを中心に活躍しました。

アマチュア時代

地元高松市立屋島中学校を卒業後、野球の名門である高松商業高校に進学。高校2年生時の1995年には、夏の香川県大会決勝まで進出しましたが、選抜大会優勝校である観音寺中央高校に惜敗しました。同年の秋季大会で県内の頂点に立ち、秋季四国地区大会でも準決勝に進出した結果、翌1996年の第68回選抜高等学校野球大会に出場を果たしました。選抜では初戦で国士舘高校と対戦。神田は先発としてマウンドに上がり試合を最後まで投げ抜きましたが、チームは勝利できませんでした。同年夏には、再び香川県大会を制覇し、第78回全国高等学校野球選手権大会への出場を決めました。甲子園では、初戦（2回戦）の浦和学院高校戦で救援投手として登板し、チームの勝利に貢献。続く3回戦の熊本工業高校戦では先発を任され、打撃でも適時打を放つなど奮戦しましたが、残念ながら敗退しました。

高校卒業後は、川崎製鉄水島に入社し、社会人野球の選手としてプレーを続けました。社会人野球の最高峰である都市対抗野球大会では、自チームだけでなく補強選手としても出場を経験し、先発投手としてもマウンドに上がっています。驚異的なスタミナを誇り、数多くの試合で完投を成し遂げたことから、『ミスター完投』という異名で呼ばれるようになりました。

2002年のプロ野球ドラフト会議において、千葉ロッテマリーンズから4巡目で指名を受け、プロ入りを果たしました。翌年には所属していた川崎製鉄水島が、NKKとの合併に伴いJFE西日本となったため、横浜ベイスターズに指名された北川利之選手と共に、川崎製鉄水島出身のプロ野球選手としては最後の世代の選手となりました。

プロ野球での歩み

プロ入り後最初のシーズンとなる2003年、春季キャンプで首脳陣から高い評価を得て、開幕一軍メンバーに名を連ねました。シーズン開幕後間もない3月28日、福岡ダイエーホークス戦でプロ入り初登板。8回裏にマウンドに上がり、松中信彦選手からプロで初めての三振を奪いました。さらに、4月20日のオリックス・ブルーウェーブ戦では、待望のプロ初勝利を手に入れました。社会人時代からの豊富なスタミナから、先発ローテーション入りへの期待も寄せられ、3試合に先発登板する機会を得ましたが、本塁打を浴びやすい傾向や制球力の課題を克服することができず、シーズン途中で二軍へ降格。結局、そのシーズンは一軍へ再昇格することなく終えました。

2004年は、シーズン前に肩を痛めてしまい出遅れましたが、回復後は中継ぎ投手として一軍に定着し、シーズンを戦い抜きました。

2005年は、チーム投手陣の層が厚くなったこともあり、一軍に割って入ることが難しく、シーズンの大半をファームで過ごしました。ファームでは抑え投手を務め、5つのセーブを記録しています。わずかに一軍に昇格する機会もありましたが、登板機会は限られました。シーズン終盤に再び一軍へ昇格しましたが、プレーオフや日本シリーズといったポストシーズンでの登板機会は得られませんでした。

2006年は、開幕一軍メンバー入りを果たしましたが、すぐにファームへ降格となりました。しかし、チームの主力リリーフ投手であった薮田安彦選手の故障離脱に伴い、5月に再び一軍へ昇格。セットアッパーとして重要な局面での登板を任され、9試合連続無失点を記録するなど安定した投球を披露し、この年1勝11ホールドという成績を残す活躍を見せました。8月に入ると投球内容が悪化し、再び二軍へ降格となりましたが、9月23日に一軍復帰。9月26日の西武ライオンズ戦では、プロ入り後初めてセーブを記録しました。

2007年、2008年も主に中継ぎ投手として一軍で登板機会を得ましたが、2009年にはプロ入り後初めて一軍での登板がなく、シーズン終了後の10月1日に球団から戦力外通告を受けました。現役続行を目指し、シーズン終了後に行われた12球団合同トライアウトに参加しましたが、獲得のオファーには繋がりませんでした。その後は、台湾プロ野球の兄弟エレファンツの入団テストを2度にわたり受けましたが、契約には至りませんでした。最終的に日本の社会人野球である西濃運輸に所属してプレーを続け、2011年に現役を引退しました。

引退後

現役引退後は、自身の出身地である香川県にて、少年向けの軟式野球クラブチーム『神田義英ベースボールスクール』の監督として、後進の指導にあたっています。また、ケーブルテレビ局の野球中継において、独立リーグや高校野球の解説者としても活動するなど、多方面で野球に関わり続けています。

選手としての特徴

現役時代は、最速140km/hを超えるストレートに加え、スライダーやフォークボールなどを投げ分ける投球スタイルでした。

プロ初記録

初登板：2003年3月28日、対福岡ダイエーホークス1回戦（福岡ドーム）
初奪三振：上記初登板試合の8回裏、松中信彦から空振り三振
初先発：2003年4月16日、対福岡ダイエーホークス6回戦（千葉マリンスタジアム）
初勝利：2003年4月20日、対オリックス・ブルーウェーブ5回戦（千葉マリンスタジアム）
初ホールド：2006年5月28日、対読売ジャイアンツ3回戦（東京ドーム）
初セーブ：2006年9月26日、対西武ライオンズ19回戦（インボイスSEIBUドーム）

背番号

* 11 （2003年 - 2009年）

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