神谷洵平

神谷洵平：多様な音楽性を操るドラマー、作曲家、プロデューサー

神谷洵平（かみやじゅんぺい）は、1983年 1月30日生まれの日本のドラマー、作曲家、音楽プロデューサーです。静岡県静岡市清水区出身で、幼少期から音楽に囲まれた環境で育ちました。両親は共にドラマーであったことから、5歳という年齢からドラムに触れ始め、リズム感への強い興味を育んでいきます。その後、ピアノやギターにも挑戦し、作曲を始めるなど、幼少期から音楽的な才能を開花させていきました。

音楽的遍歴：多様な影響と独自の進化

中学時代にはジェームス・テイラーやキャロル・キングといったシンガーソングライター、スティーリー・ダンや山下達郎、吉田美奈子といったアーティストからの影響を受けながら、バンド活動でドラム演奏を磨きます。高校時代には吹奏楽部でパーカッションを担当、地元のCDショップでBeckの作品と出会い、宅録を始めるなど、音楽的視野を広げながら活動の幅を拡げました。

大学時代には、武蔵大学と立教大学の軽音楽サークルに所属。バンド「ハヤオキX」を結成し、主要な作曲を担いました。このバンドには、シンガーのジャンクフジヤマや、羊毛とおはなの羊毛といったメンバーが在籍しており、その経験が後の活動にも大きく貢献しました。この頃にはブラックミュージックに傾倒していましたが、ニューヨーク旅行でルーファス・ウェインライトの作品に出会い、ジョン・ブライオンの作品にも関心を抱くようになり、彼の音楽性からの大きな影響を受け、自身の音楽観を大きく変える転換期を迎えました。

大学卒業後、2004年にはバンド「月球」を結成し、本格的な音楽活動をスタートさせます。同時に、フリーボや羊毛とおはなのサポートメンバーとしても活動を開始。プロとしてのキャリアを歩み始めます。2008年からは大橋トリオのサポートドラマーとして活動を開始。その後、コトリンゴ、Predawnなどのサポートも務めるようになり、徐々に知名度を高めていきました。

多くのアーティストとの共演とサポート：幅広い音楽性と高い評価

2012年には持田香織やトータス松本のライブ、レコーディングに参加し、さらには星野源のライブサポートにも参加する機会を得ます。星野源との交流をきっかけに、彼のレコーディングにも度々参加するようになります。2014年には、矢野顕子のツアーメンバーに抜擢され、「サマーソニック」にも出演。矢野顕子から「Happiest drummer」と称賛されるなど、高い評価を獲得しました。

2010年頃からフジロックフェスティバル、サマーソニック、ROCK IN JAPAN FESTIVALなど、数々の大型フェスにも出演。大橋トリオ、トータス松本、Predawnといった異なる音楽性のアーティストのステージを一日でこなすなど、その高い演奏技術と対応力を示しました。

J-WAVE主催の「J-WAVE LIVE SUMMER JAM」では「大橋トリオスペシャルバンド」のレギュラーメンバーとして、久保田利伸、平井堅、絢香、AIなど、数多くの有名アーティストとの共演を果たしています。

赤い靴とソロ活動：独自の音楽表現と高い制作スキル

2010年、東川亜希子とのユニット「赤い靴」を結成。作詞、作曲、編曲、プロデュースまでを自身で行い、アルバム『コマドイルの旅』（2011年）、『サラバトーゲの街』（2012年）、EP『イノリーマスの森』（2013年）、アルバム『AKAIKUTSU』（2016年）などをリリースしています。『AKAIKUTSU』には、Beastie Boysのキーボディストであるマニー・マークや、ロサンゼルス在住のアーティストYouhei Shikanoが参加。LAでのレコーディングも行った作品です。

2020年には、コロナ禍で自身のツアーが中止となったことをきっかけに、初のソロアルバム『Jumpei Kamiya with...』を制作。約3ヶ月という短期間で全曲の作曲、アレンジを担当し、リモートワークでレコーディング、ミックス、マスタリングまでを完遂。Bigthief、Bon Iver、Nick HakimのプロデュースエンジニアであるAndrew Sarloにマスタリングを依頼し、高い完成度を誇る作品となりました。この作品はJ-WAVEなど多くのFM局で取り上げられ話題を呼びました。

ビンテージドラム収集家：情熱と個性の表れ

神谷洵平は、ビンテージドラムの収集家としても知られています。2020年時点で100台以上のドラムセットやスネアドラムを自宅に所有していることが、J-Wave"StartLine"のドラムの日ゲスト出演時に明らかになり、話題となりました。この番組では、20分に渡るドラムソロを生放送で披露しました。また、アメリカのドラムメーカーC&C Drumsの日本人唯一のエンドーサーとしても知られています。

まとめ

神谷洵平は、ドラマー、作曲家、音楽プロデューサーとして、独自の音楽性を確立し、多方面で活躍する稀有な存在です。その幅広い音楽性と高い演奏技術、そして旺盛な創作意欲は、多くのアーティストやリスナーに大きな感動を与え続けています。彼の今後の活動にも大きな期待が寄せられています。

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