神野金之助 (初代)

神野金之助 - 愛知県の実業家

神野金之助（かみの きんのすけ、1849年5月7日 - 1922年）は、尾張国海西郡江西村（現・愛知県愛西市）出身の実業家で、愛知県豊橋市の神野新田開発で特に知られています。彼の家系はもともと「じんの」と名乗っていましたが、大正初期に「かみの」に改められました。

青年時代

1849年に豪農の家庭に生まれ、元治元年には家督を相続し、苗字帯刀を許可されました。成年期には地域社会に関わりを持ち、1873年には江西村の戸長に就任しました。その後、兄の経営する紅葉屋に参加し、その活動を通じて商業の世界に進出していきました。

実業家としての発展

1876年より名古屋の紅葉屋の経営に関与し、1882年には名古屋銀行の設立に寄与します。1884年には数つの干拓事業を手掛け、特に神野新田の開拓が彼の業績の中で大きな役割を果たしました。

神野新田の開拓

1893年、神野金之助は新田用地と水源を購入し、開拓を開始しました。1895年には神社を3つ建立し、同年に神野尋常小学校も設立しました。1896年には新田の竣工を祝い、記念碑を建てるなど、地域の発展に尽力しました。神野新田は、新しい農地の開発と住居の提供をもたらし、多くの人々の生活を改善しました。

経済界での活躍

神野は名古屋の財界にも強い影響を及ぼし、名古屋米穀取引所、名古屋肥料、大日本坩堝などの設立や経営にも携わりました。また、名古屋電力や福寿生命保険の設立にも関与し、地域経済の基盤を築く役割を果たしました。特に名古屋銀行では頭取として、様々な経営課題に取り組みました。

晩年と死去

1915年に従六位に叙せられるなど、彼の業績は認められていました。1922年に亡くなる際には従五位に昇叙されました。彼の葬儀は日本で初めて霊柩車が使用された事例とも言われています。

渡米実業団参加

また、1909年には渋沢栄一を団長とする渡米実業団に参加し、民間の経済活動に貢献しました。同行紀には彼の身長や体重の記録も残されており、当時の様子を伺い知ることができます。

姓の変更

神野姓の変更については、さまざまな説が存在しますが、1923年に改称した対し、実際には1945年時点でも「かみの」として認識されていたことが伝わっています。

代表的な業績

彼が関与した主な企業には、明治銀行や名古屋電気鉄道、福寿生命保険などが挙げられます。明治銀行では設立から運営まで多大な影響力を持ち、名古屋電気鉄道の設立にも貢献しました。

伝記と資料

彼に関する著作もあり、堀田璋左右による『神野金之助重行』を含む伝記が残されています。これらの資料は、金之助の生涯や業績を知る上で重要なリソースです。

神野金之助は、地域の経済発展に多大なる寄与をした実業家として歴史に名を刻んでいます。彼の取り組みは、今日の愛知県の発展においても重要な基盤となっていると言えるでしょう。

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