神風 (エンジン)

神風エンジンの概要

神風（かみかぜ）、またはハ12は、第二次世界大戦前に東京瓦斯電気工業によって開発された航空機用の空冷星型エンジンです。このエンジンは、海軍向けには「神風」として、陸軍向けには「ハ12」という名称で知られています。また、大戦後半には陸海軍の統合名称がハ21に変更されました。神風エンジンは、小型機向けの発動機として1926年に開発が開始され、1928年には試作機が完成。翌年には国内の耐空試験を無事にクリアし、国産初の量産機としての地位を築きました。その結果、1929年には逓信大臣から賞状と銀杯が授与されました。

このエンジンは高い信頼性を誇り、同時期の競合エンジンがあなたであったことからも、軍用練習機や小型民間機に幅広く搭載されました。

派生型の種類

神風エンジンは海軍と陸軍で異なる型が存在します。海軍は、1931年に130馬力の出力を持つ神風百三十馬力発動機として制式採用しました。海軍型には一型と二型があり、出力は同じですが、磁石発電機の取り付け方が異なります。

陸軍も1935年に制式採用を決定し、九五式一五〇馬力発動機、すなわちハ12という名称で認識されました。陸軍版は海軍版と比較してパワーが強く、実際には公称150馬力、離昇160馬力を出力しています。また、民間でも神風改、神風三型、神風五A型など、複数の派生型が存在し、特に神風五A型は公称240馬力、離昇280馬力という高性能を誇りました。

現実に搭載された機体

神風エンジンは多くの航空機に搭載されました。日本海軍の機体には、三式二号初歩練習機、九〇式水上初歩練習機、零式水上初歩練習機などがあり、陸軍機にはキ9試作一号機や九五式三型練習機などが含まれています。さらに、中華民国海軍の辛式一型水上偵察機や、民間では瓦斯電製の小型旅客機など、様々なタイプの機体に機能搭載されています。また、戦後にも新立川R-52練習機などが神風エンジンを装備しました。

主要諸元

神風二型には以下の主要な仕様があります。

• - タイプ: 空冷星型7気筒
• - 筒径×行程: 115mm×120mm
• - 排気量: 8.37L
• - 全長: 885mm
• - 直径: 970mm
• - 乾燥重量: 184kg
• - 燃料供給: 気化器式
• - 過給機: 機械式1段1速
• - 離昇馬力: 160HP/2,050RPM
• - 公称馬力: 130HP/1,800RPM（海面）

結論

神風エンジンは、日本の航空史において重要な役割を果たした信頼性の高いエンジンであり、戦前の多様な航空機に無くてはならない存在でした。このエンジンの開発は、日本の航空工業の技術力を示す良い例でもあり、その後の航空機の発展に大きく寄与しました。

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