禁則処理

禁則処理とは

禁則処理とは、主に漢字文化圏における文書作成や組版において、特定の文字（約物）が行頭や行末に配置されることを避けるための規則、およびその処理を指します。これにより、文章の見た目の美しさや読みやすさを向上させることが目的です。

禁則処理の例

例えば、句読点（「。」や「、」）や閉じ括弧（「」や『』）などの約物は、原則として行頭に配置してはならないとされています。


例：
これは禁則処理の例です。
、このように行頭に句読点が来ることは避けられます。


上記例文の2行目のように、句読点が行頭に来ることは禁じられています。これは、行頭に約物が来ると見た目が悪くなるだけでなく、文章が読みにくくなったり、意味が誤解されたりする可能性があるためです。

禁則文字の種類

禁則処理の対象となる文字は、行頭禁則文字と行末禁則文字に大別されます。

行頭禁則文字

終わり括弧類：), ]}, 〉》」』】
ハイフン類：‐ – 〜
区切り約物：?!‼⁇⁈⁉
中点類：・:;/
句点類：.。
行頭禁則和字: ゝゞーァィゥェォッャュョヮヵヶぁぃぅぇぉっゃゅょゎゕゖㇰㇱㇲㇳㇴㇵㇶㇷㇸㇹㇷ゚ㇺㇻㇼㇽㇾㇿ々〻

行末禁則文字

始め括弧類：([｛〔〈《「『【
分離禁則文字：—…‥〳〴〵

分離禁則

分離禁則とは、分離してはならない文字や単語が、行を跨いで分割されるのを防ぐための規則です。

英単語: English
組み数字: 3⁄20
連数字: 5,000
グループルビ: 大人（おとな）(熟字訓)、難有（ありがた）(顛読語)

禁則処理の方法

禁則処理を行う方法としては、主に以下のものがあります。

ぶら下げ（ぶら下がり）: 句読点などの約物を前の行の最後に配置する方法です。
追い出し: 行末禁則文字を次の行に送り出すために、文字間隔を広げる方法です。
追い込み: 行頭禁則文字を前の行に組み込むために、文字間隔を詰める方法です。

分離禁則の場合は、「追い出し」や「追い込み」を用いて、分離禁止文字列が分割されないように調整します。

ワープロソフトなどでは、これらの禁則処理が自動的に行われる機能が搭載されていることが一般的です。ただし、出版社や印刷物の種類によっては、独自のルール（ハウスルール）が存在する場合もあります。

禁則処理とJIS X 4051

禁則文字の種類や処理方法は、JIS X 4051において規定されています。これにより、一定の基準に基づいた禁則処理が可能です。

関連項目

約物
ワープロ
DTP
* 電算写植

禁則処理は、読みやすく美しい文章を作成するための重要な技術であり、DTPやWebデザインなど、様々な分野で活用されています。

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