禁衛隊 (満洲国)

禁衛隊（きんえいたい）

満洲国における皇帝の身辺警護を担った近衛兵組織である禁衛隊について解説します。

概要

満洲国建国後、執政であった愛新覚羅溥儀は、当初モンゴル人約300名からなる「護軍」を組織し、自らの親衛隊としました。さらに満洲国軍からも兵士を派遣させ「翊衛軍」を編成し、自身の護衛に当たらせました。

1934年（康徳元年）、「護軍」は宮内府に編入され皇宮警察としての役割を担うことになりました。また、「翊衛軍」は「禁衛歩兵団」へと改組されました。この時点での禁衛歩兵団の兵員数は415名でした。

1936年（康徳3年）には、儀仗兵としての役割を強化するため、騎兵や礼砲実施のための砲兵も加えられ、組織は「禁衛隊」として再編されました。1941年（康徳8年）には、司令部が設置され、組織としての体制が整えられました。溥儀の弟である愛新覚羅溥傑は、禁衛隊歩兵第3連隊長を務めていました。

日本の近衛師団が戦時には戦闘に参加したように、満洲国の禁衛隊も匪賊討伐や反乱軍の鎮圧といった実戦に参加しました。

組織の変遷

初期段階:
護軍（約300名のモンゴル人による親衛隊）
翊衛軍（満洲国軍からの派遣兵による護衛部隊）
1934年（康徳元年）:
護軍は宮内府に編入され、皇宮警察化
翊衛軍は禁衛歩兵団に改組（兵員数415名）
1936年（康徳3年）:
騎兵や砲兵が加えられ、禁衛隊として再編
1941年（康徳8年）:
司令部設置

活動内容

皇帝の身辺警護
儀仗兵としての役割
匪賊討伐
反乱軍鎮圧

日本の近衛師団との比較

日本の近衛師団と同様に、満洲国の禁衛隊も単なる儀仗兵ではなく、実戦にも参加する部隊でした。ただし、規模や装備、具体的な活動内容には差異がありました。満洲国の禁衛隊は、皇帝の警護を主任務としながらも、治安維持活動にも従事していました。

参考文献

満洲国軍刊行委員会編『満洲国軍』蘭星会、1970年

関連項目

満洲国
* 近衛兵（近衛師団）

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