禅暁

禅暁（ぜんぎょう）

禅暁（生年未詳 - 承久2年4月14日（1220年5月17日）または承久2年4月11日（1220年5月14日））は、鎌倉時代前期に生きた僧であり、鎌倉幕府二代将軍・源頼家の四男として知られています。母は一品房昌寛の娘、あるいは辻殿（足助重長の娘）とされています。異母兄に一幡と公暁、同母兄または異母兄に栄実、異母妹または異母姉に竹御所がいました。

生涯

元久元年（1204年）、父・頼家が非業の死を遂げた後、禅暁は出家し仁和寺に入室しました。その後、母（一品房昌寛の娘）は三浦胤義と再婚しています。

建保7年（1219年）正月、異母兄である公暁が叔父の源実朝を暗殺するという大事件が発生します。この事件に関連して、禅暁も公暁に荷担した疑いをかけられることとなりました。同年2月26日、次期将軍を迎えるために鎌倉からの使者・二階堂行光が京に到着し、閏2月5日には禅暁を伴って京を出立しました。

しかし、それから1年2ヶ月後の承久2年（1220年）4月14日、禅暁は京都の東山あたりで誅殺されてしまいます。当時、17歳から19歳の間であったと推測されています。

この1年2ヶ月の空白期間にどのような事情があったのかは定かではありません。一説には、母の再婚相手である三浦胤義が禅暁の助命に奔走していたとも言われています。しかし、その後の承久の乱において、胤義は京方として幕府軍と戦い、結果的に兄の三浦義村と敵対することとなりました。このため、禅暁の処遇が三浦一族分裂の一因となったと考える研究者もいます。

禅暁の死により、頼家の男子は全てこの世を去り、頼家の血筋を引く者としては異母姉妹である竹御所が唯一の生き残りとなりました。しかし、その竹御所も天福2年（1234年）に死去し、祖父である源頼朝と祖母・北条政子の血を引く子孫は完全に途絶えることとなりました。

参考文献

永井晋『鎌倉源氏三代記』吉川弘文館、2010年
矢代仁『公暁―鎌倉殿になり損ねた男』ブイツーソリューション、2015年

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