福住バスターミナル

福住バスターミナルは、北海道札幌市豊平区福住二条一丁目に所在する、地域の重要な交通結節点です。国の自動車ターミナル法に基づき整備された一般バスターミナルとして機能しており、札幌市が独自に定める分類では、他の公共交通機関との乗り換えを円滑に行うための「乗継バスターミナル」と位置づけられています。札幌市の南東部エリアにおける、地下鉄とバス路線の連携拠点として、地域住民の日常的な移動や広域へのアクセスを支える役割を担っています。

このバスターミナルは、札幌市営地下鉄東豊線の終点である福住駅への延伸に合わせて建設され、1994年（平成6年）10月14日に供用を開始しました。設置主体は札幌市ですが、その管理運営業務は北海道いすゞ自動車株式会社が行っています。開設から四半世紀以上にわたり、周辺地域の発展とともに、発着するバス路線網も拡充されてきました。

福住バスターミナルの最大の特長の一つは、札幌市営地下鉄東豊線福住駅と直接接続している点です。これにより、地下鉄利用者からバスへの、あるいはバスから地下鉄への乗り換えが非常にスムーズに行えます。ただし、ターミナルの主要施設は地下に位置しているため、利用者は地上から直接施設内に入ることはできません。アクセスする際は、地下鉄福住駅のコンコースを経由するか、ターミナルに隣接する商業施設「CiiNA CiiNA 福住」の2階から設置されているエスカレーターを利用する必要があります。この構造は、札幌の厳しい冬期間でも、利用者が天候に左右されずに快適に乗り換えできることを考慮したものです。

ターミナル内部には、合計9つの乗り場が設置されています。具体的には、1番から9番まで番号が振られています。各乗り場への入り口は、バスの到着を感知して自動的に開閉するシステムを採用したドアで仕切られており、安全な待機スペースを確保しつつ、効率的な乗降を可能にしています。施設内には、利用者の利便性を高めるための様々な設備が整っています。北海道中央バスの総合案内所が設置されており、路線情報や運賃に関する詳細な問い合わせに対応しています。また、自動販売機や清潔に保たれたトイレも完備されています。特に、2018年（平成30年）には、最新のバスロケーションシステムと連携したデジタルサイネージが導入されました。これにより、各路線のバスが現在どの辺りを走行しているのか、そして予測される到着時刻などがリアルタイムで表示されるようになり、利用者は待ち時間をより有効に使えるようになりました。乗車券の購入方法については、必要な都度購入する普通乗車券は設置されている自動券売機で手軽に購入でき、日常的な利用に便利な定期乗車券は窓口で購入することができます。

福住バスターミナルから発着する路線は多岐にわたり、札幌市内だけでなく、近郊都市へのアクセスも担っています。2025年（令和7年）4月1日現在の情報によれば、運行されている路線の大部分は北海道中央バスによるものです。しかし、北海道の玄関口である新千歳空港へ向かう連絡バスについては、北海道中央バスと北都交通が共同で運行しています。主な行先としては、札幌市中心部への路線（札幌駅前など）、平岸駅や真駒内駅など札幌市南部の地下鉄駅や地域を結ぶ路線があります。また、豊平区、清田区、厚別区にまたがる広範囲な住宅地を結ぶ生活路線が充実しており、平岡方面、緑ヶ丘団地方面、美しが丘方面、清田団地方面、柏葉台団地方面などへ多数の系統が運行されています。さらに、札幌市郊外や近隣市への長距離路線として、北広島駅、恵庭駅通、千歳駅前、そして新千歳空港への路線も発着しており、通勤・通学や旅行など、様々な目的で利用されています。なお、1番および2番乗り場は、バスが到着し乗客を降ろすための降車専用スペースとして使用されています。

福住バスターミナルは、札幌市南東部における公共交通ネットワークの要として、日々多くの人々が利用する活気ある施設です。参考として、2021年（令和3年）12月における平日の1日あたりの発着便数は、スクールバスなどの非公示便を除いて890便に達しており、その交通結節点としての重要性が数字にも表れています（この便数には、感染症流行の影響で一時的に運休していた便も含まれています）。地域住民の生活を支えるとともに、広域からのアクセスポイントとしても機能する、欠かせない交通インフラとなっています。

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