福山海軍航空隊

福山海軍航空隊について

福山海軍航空隊（ふくやまかいぐんこうくうたい）は、日本海軍の水上機専用航空機基地として、広島県の福山市大門町津之下に位置していました。この基地は水上機の運用に特化しており、歴史的な役割を果たしました。

設立と沿革

本基地は1943年、逓信省によって民間の水上機操縦士を育成するための教育機関として設立されました。設立当初から非常に重要な役割を担い、その後も海軍の一部として成長を遂げることになります。1944年の6月1日には、香川県に所在していた詫間海軍航空隊の福山分遣隊として機能するようになり、1945年の3月1日には福山海軍航空隊として独立しました。

この基地は、第二次世界大戦中には様々な水上機が配備されており、特に零式観測機や水上特殊攻撃機などが常駐していました。また、当基地は未完に終わったパナマ運河攻撃計画のための伊四〇〇型潜水艦が搭載する第六三一海軍航空隊の拠点でもありました。

戦後の展開

戦後の1946年には、イギリス陸軍およびオーストラリア陸軍の進駐があり、基地は新たな役割を担うこととなります。その後、1952年には保安隊の福山駐屯地が設立され、さらに1966年には日本鋼管福山製鉄所が進出し、太刀川の基地跡地も利用されることになりました。

常駐機と特徴

福山海軍航空隊には、以下のような水上機が常時駐留していました。

• - 零式観測機
• - 水上特殊攻撃機晴嵐
• - 零式小型水上偵察機
• - 零式三座水上偵察機
• - 九五式水上偵察機
• - 水上偵察機瑞雲

これらの機体は、いずれも海軍作戦の重要な要素として使用されていました。

遺構と現在

現在、JFE福山地区の駐車場エリアには、管理棟、エプロン跡、火工兵器庫や防空壕などの遺構が残っています。ただし、これらはJFEの敷地内にあり無断で立ち入ることはできません。しかし、毎年5月の第二日曜日にはJFEフェスタが開催され、一部の一般客が近くまで訪れることができる機会もあります。ただし、説明板などは設置されておらず、基地の歴史については知る手段が限られています。

その他の出来事

福山海軍航空隊は、アメリカ海軍による艦載機の攻撃を受けた歴史も有しており、福山市街へのB-29による爆撃に先立って、頻繁に襲撃を受けていました。これらの出来事は地域に大きな影響を与え、基地の存在が戦争の中でいかに重要であったかを物語っています。関連項目として、福山駐屯地も挙げられます。

福山海軍航空隊の歴史は、軍事的な観点からだけでなく、地域の発展とも密接に関連していた重要な時代の一部です。

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