福島県道373号福島停車場線

福島県道373号福島停車場線：駅前を彩った短くも重要な道

福島県道373号福島停車場線は、福島駅東口と国道13号を結ぶ、全長223mの短い県道でした。その短い距離にも関わらず、福島市の顔として、重要な役割を果たしていました。

概要

起点：福島市栄町（福島駅東口前タクシープール・福島県道3号福島飯坂線（飯坂街道）交点）
終点：福島市栄町（国道13号信夫通り・栄町交差点）
総延長：223m
路線認定年月日：1975年2月14日
路線廃止年月日：2025年3月25日

この路線は、福島駅東口から東へ一直線に伸びる「駅前通り」として親しまれていました。沿道にはホテルや飲食店が立ち並び、賑わいを見せていました。また、車両通行止めにして、様々なイベントの会場としても利用され、市民に親しまれていました。

歴史

福島県道373号福島停車場線は、1887年（明治20年）12月15日の福島駅開業に合わせて整備されました。当時、駅は奥州街道から離れており、駅と街道を結ぶ必要がありました。初代福島町長の鐸木三郎兵衛の提案により、「栄通り」と名付けられ、町の発展を願う意味が込められました。

かつては、信達軌道（後の福島交通飯坂東線）が当路線上に敷設され、1971年（昭和46年）まで路面電車が走っていました。また、戦前までは柳並木が植えられ、「青柳通り」とも呼ばれていました。

1954年8月31日に一般県道北町福島停車場線として県道に指定され、1975年2月14日に現在の路線名となりました。しかし、2024年6月、福島駅東口再開発事業に伴い、市道への移管が決定し、2025年3月27日に県道路線としては廃止されました。今後は一般市道栄町6号線として、その役割を引き継ぎます。

駅前通りとしての賑わい

駅前通りは、様々なイベントの会場として利用されていました。春の開花来馬宣言パレード、夏の福島わらじまつり、秋の福島バス祭りや福島稲荷神社例大祭連山車、正月の出初式など、季節を問わず多彩な行事が開催され、多くの人々で賑わいました。かつては、定期的に歩行者天国も実施されていました。

沿線情報

以下は、起点から終点に向かって記載された沿線の主な施設です。

北側

エスタビル（1F-東邦銀行福島駅前支店）
福島トヨタビル（1F-福島信用金庫駅前支店）
吾妻ビル
セブン-イレブン福島栄町店
福島秋葉神社
AXCビル
ホテルクラウンヒルズ福島・大和証券福島支店

南側

なか卯福島東口店
福島栄町郵便局
* 福島県立医科大学保健科学部

かつては、山田百貨店、長崎屋福島店、フレッシュネスバーガー福島駅前店など多くの商業施設がありましたが、時代の流れとともに閉店・移転しました。

福島県道373号福島停車場線は、短いながらも福島市の歴史と人々の生活に深く関わってきた道でした。県道としては廃止されましたが、市道として、これからも福島駅東口の顔として、その役割を果たし続けるでしょう。

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