福田 (長崎市)

長崎市福田地区

福田地区は、長崎市西部に位置し、角力灘に面した地域です。旧西彼杵郡福田村に属し、1955年に長崎市に編入されました。この地域は、かつて南蛮貿易のポルトガル船の寄港地として栄えましたが、外海に直接面しているという地理的な制約から、寄港地としての役割は他の港に移りました。しかし、現在でもその歴史的背景を色濃く残しています。

歴史

1565年、福田は南蛮貿易の港として開港しましたが、外海に面しているため、より安全な口之津港や長崎港にその役割を譲りました。1955年、旧福田村は長崎市に編入され、現在の福田地区が形成されました。

町の構成

福田地区は、1957年に町名が設置され、以下の町で構成されています。

大浜町: かつては半農半漁の地域でしたが、現在は宅地化が進み、高層マンションや商業施設が立ち並んでいます。ながさき女神大橋道路の終点、大浜インターチェンジがあります。
柿泊町: もともとは漁業地域でしたが、現在は住宅地が広がっています。長崎市総合運動公園（通称：かきどまり運動公園）があり、スポーツ施設が充実しています。
上浦町: 山間部に位置し、県道112号線沿いに住宅が点在しています。
小浦町: 半農半漁の地域でしたが、大浜町や福田本町とともに宅地化が進んでいます。商業施設も比較的充実しています。
小江町: 漁業地域であり、小江と小江小浦の2つの集落があります。海岸部は埋め立てられ、工場が立地しています。
手熊町: 半農半漁の地域で、手熊浄水場、手熊小学校、西部地区事務所などがあります。
福田本町: 福田地区の中心で、半農半漁の地域ですが宅地化も進んでいます。福田小学校、福田中学校、市役所福田地域センターがあります。かつては「福田の遊園地」がありましたが、現在は長崎サンセットマリーナがあります。

なお、小江原地区（1丁目～5丁目）は、現在では福田地区ではなく、本庁管轄地区となっています。

交通

福田地区へのアクセスは、以下の交通手段があります。

バス: 長崎自動車（長崎バス）が運行しています。
道路: 国道202号、長崎県道51号長崎南環状線（ながさき女神大橋道路）、長崎県道112号長崎式見港線が通っています。

施設

福田地区には、以下の公共施設や教育機関があります。

長崎市役所福田地域センター
西部地区事務所
長崎市立福田中学校
長崎市立福田小学校
長崎市立小江原中学校（柿泊町に所在）
長崎市立手熊小学校

まとめ

福田地区は、歴史的な背景と豊かな自然、そして生活に必要な施設が揃った地域です。長崎市の西部に位置し、かつての貿易港としての歴史を持ちながらも、現代的な住宅地としての発展も遂げています。スポーツ施設や公共施設も充実しており、住民にとって住みやすい環境が整っています。

参考文献

角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 42 長崎県』1987年 ISBN 9784040014203

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