口之津港

口之津港

口之津港は、長崎県南島原市に位置する地方港湾で、長崎県が管理しています。島原半島の南端、早崎瀬戸に面し、有明海の湾口部に位置しています。この港は、その歴史と地理的な重要性から、様々な役割を担ってきました。

歴史

口之津港は、1562年に肥前有馬氏の当主である有馬義直によって貿易港として開港されました。翌年には、イエズス会の宣教師ルイス・デ・アルメイダが来航し、布教活動を開始しました。1567年にはポルトガル船などの南蛮船が入港し、1579年には日本各地で布教活動を行う宣教師たちが集まり、第1回口之津会議が開催されました。この時期、口之津港はキリスト教布教と南蛮貿易の中心地として大いに栄えました。

その後、布教の中心が長崎に移ると、口之津港の重要性は一時的に低下しましたが、明治時代に入ると、三池炭鉱で産出された石炭を輸出するための重要な中継港として再び注目されるようになりました。遠浅で大型船の入港が困難だった三池港に代わり、小型船で口之津港まで運ばれた石炭は、ここで大型船に積み替えられ、上海などへ輸出されました。しかし、1908年に三池港の新港が開港し、大型船が直接入港できるようになったことで、口之津港は急速に衰退しました。

口之津港の歴史を物語るものとして、1878年に開設された長崎税関口之津支庁があります。この建物は現在、口之津歴史民俗資料館・海の資料館として利用されています。また、1954年には国立口之津海員学校（現在の国立口之津海上技術学校）が設立され、船員の育成が行われています。

現在の状況

2015年度には、口之津港の発着数は5,969隻（2,554,270総トン）、利用客数は348,211人（乗船176,827人、下船171,384人）を数えました。2020年3月20日には、旧口之津駅前にあったフェリーターミナルが、南島原市口之津支所や口之津歴史資料館などを集約した新しい「南島原市口之津ターミナルビル」に移転し、バスターミナルも合わせて移転しました。

航路

口之津港からは、島鉄フェリーが熊本県天草市の鬼池港との間に航路を運航しています。この航路は、平日は13往復、土日祝日は17往復（10月～3月は平日11往復、土日祝日は15往復）が運航されており、地域住民の重要な交通手段となっています。

アクセス

口之津港へは、諫早市や島原市から国道251号を経由して約1時間、小浜温泉からは約40分程度でアクセスできます。公共交通機関としては、島鉄バスが運行する2系統の路線バスが、港に隣接する「口之津港」バス停を経由しています。かつては島原鉄道の口之津駅がありましたが、2008年4月1日に島原鉄道線の一部区間が廃止されたため、駅は廃止され、駅舎も解体されました。

島鉄バスの路線

• - 口之津車庫前 - 口之津港 - 小浜・小浜高 - 諫早線：1時間に1本程度の運行頻度で、口之津営業所が設けられています。
• - 加津佐 - 口之津港 - 深江 - 島原線：鉄道廃止区間の代行バスとして、1時間に1-2本程度の運行頻度です。
• - 西望公園 - 原城温泉真砂 - 口之津車庫線：1日4往復が運行されています。

関連情報

口之津港は、日本の港湾一覧（長崎県）にも記載されています。

参考文献

• - 『港湾統計（年報）』国土交通省、2016年。

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