福間競馬場

福間競馬場の歴史と現況

福間競馬場は福岡県宗像郡福間町、現在の福津市に位置していた競馬場です。正式名称は福間町営競馬場であり、1959年に廃止されました。競馬場は西鉄宮地岳線の西鉄福間駅に近く、海岸からは松林を挟んでいたため、海の近くの独特なロケーションにありました。競馬開催時には、宣伝活動の一環として、国鉄福間駅近隣を馬がパレードする様子も記録されています。

競馬場の設立と歴史

福岡県では1927年に地方競馬規則が制定され、それに伴い春日原、飯塚、久留米の3つの競馬場が開設されました。しかし、1939年に施行された軍馬資源保護法により、これらの競馬場はすべて廃止されました。そこで福岡県畜産組合連合会は新たに福間町に競馬場を設立し、1940年から1944年にかけて鍛錬馬競走が行われるようになりました。

1946年には地方競馬法が公布され、戦後の日本において地方競馬が再び開催される運びとなりました。この年から福間競馬場でも競馬が再開され、1948年に新たな競馬法に基づき公営競馬として運営されることになりました。最初の主催者は福岡県をはじめ、大牟田市、久留米市、福岡市、門司市、八幡市の各市や福間町が含まれていましたが、次第に福岡県町村競馬組合が設立され、1959年まで活動を続けました。

しかし、1956年には八幡競馬場が廃止され、その後福岡県内での地方競馬は消滅状態となりました。なお、中央競馬では北九州市に位置する小倉競馬場が現在も開催されています。

廃止後の競馬場

福間競馬場は1959年の廃止後、しばらくの間放置されましたが、1970年代に入り再開発が始まりました。この過程で福岡厚生年金スポーツセンターのほか、福岡県消防学校、福岡県警の官舎といった施設が新たに建設されました。2010年前後には厚生年金スポーツセンターも閉鎖され、2023年には辺りの多くのエリアが住宅地へと変貌を遂げている状況です。

まとめ

歴史的に見ると、福間競馬場は福岡県の地方競馬の一端を担い、地元市民にとっては思い出深い場所でした。競馬が行われていた頃の活気は今とは異なるものであり、その後の再開発と変遷によって、競馬場の面影は見ることができません。現在、多くの住宅地に囲まれたこの場所は、ビジネスや生活の場として新たな歴史を刻んでいます。

もう一度検索