秋岡武次郎

秋岡武次郎

秋岡武次郎（1895年3月15日 - 1975年2月6日）は、日本の地理学者、古地図収集家として知られています。専門は地図学であり、法政大学名誉教授を務めました。

生涯

秋岡武次郎は兵庫県有馬郡三田町（現在の兵庫県三田市）に生まれ、大阪市で育ちました。大阪府立今宮中学校（現在の府立今宮高校）を卒業後、第八高等学校を経て、1918年に東京帝国大学理科大学地質学科に入学。翌年、新設された地理学科に転科し、山崎直方教授の指導を受けました。1921年には、地理学科の第1回卒業生として、ただ一人卒業しました。

卒業後、陸軍士官学校教授に就任し、地学（地理学）を担当しました。1926年には、日本大学に地理・歴史科が創設されると、その講師として主に自然地理学を担当。東京文理科大学、東京高等師範学校、東京帝国大学理学部、國學院大學などでも講師を兼任しました。また、日本地理学会の評議員として学会の発展に尽力し、1926年に東京で開催された第3回太平洋学術会議には日本代表会員として出席しました。1925年には日本地理学会の発起人として創立に貢献、1937年、法政大学高等師範部歴史地理学科の開設とともに教授を兼務しました。

戦後、公職追放により大学を追われますが、研究活動は継続。1951年には、「初期作並に伊能忠敬、シーボルト作の日本図の地理学的研究」で東京大学より理学博士の学位を取得しました。1952年に法政大学教授に復職し、1965年に退職。1975年2月6日に79歳で逝去しました。

人物

秋岡武次郎は、古地図の収集家としても知られ、そのコレクションは神戸市立博物館と国立歴史民俗博物館に寄贈されています。これらの貴重な古地図資料は、日本地図史研究に大きく貢献しています。

著書

『歐人の初期日本地圖作成史』岩波書店、1935年。
『地理学:地形・気候篇』古今書院、1936年。
『日本地図史』河出書房、1955年。
『世界地図作成史』河出書房新社、1988年。
『日本地図史 新版』ミュージアム図書、1997年。

編集

『日本古地図集成』鹿島研究所出版会、1971年。

参考文献

渡辺光「秋岡武次郎先生の逝去を悼む」『地理学評論』第48巻第5号、日本地理学会、1975年、329-330頁、doi:10.4157/grj.48.329。
『日本史研究者辞典』吉川弘文館、1999年。
『日本地理学人物事典 近代編2』原書房、2013年。

外部リンク

神戸市立博物館-秋岡古地図コレクション名品展

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