秦恒平
秦恒平は、1935年に京都市で生まれ、日本の小説家として知られています。京都市立日吉ヶ丘高等学校を卒業後、同志社大学文学部で美学を専攻し、大学院を中退しました。1959年に上京し、医学書院に勤務しますが、1969年に「清経入水」で太宰治賞を受賞し、文壇デビューを果たします。1971年には「廬山」で芥川賞候補にもなりました。1974年に医学書院を退社しフリーランスとなりますが、東横学園女子短期大学で非常勤講師を務め、1992年からは東京工業大学の客員教授も務めました。2015年には京都府文化賞・功労賞を受賞しています。
秦恒平の家族構成にも触れておきましょう。作家の秦建日子は長男であり、長女・朝日子の夫は押村高氏です。評論家の北沢恒彦は実兄であり、文芸評論家・作家の黒川創氏は甥にあたります。「大きな古時計」の作詞家として知られる保富康午は、妻の兄です。
秦恒平の文学的関心は、日本の平安朝から中世にかけての古典に深く根ざしており、これらの時代をモチーフとした作品や評論を多数発表しています。特に、谷崎潤一郎に傾倒しており、谷崎に関する著書も多くあります。また、1980年代には、小森陽一による夏目漱石の『こゝろ』の解釈に賛同し、「私」が「静」と結ばれるという筋の戯曲も手がけました。
秦恒平は、自著のうち絶版となった作品を、代表作の一つである『みごもりの湖』にちなんで「湖（うみ）の本」として再刊行しており、これらの作品の多くは自身のウェブページで読むことができます。この活動は、自身の作品を広く読者に届けたいという強い思いの表れと言えるでしょう。
主な著書
『清経入水』星野書店 1969年 のち角川文庫
『秘色』筑摩書房 1970年
『花と風』筑摩書房 1972年
『慈子』筑摩書房 1972年 のち集英社文庫
『廬山』芸術生活社 1972年
『閨秀』中央公論社 1973年
『女文化の終焉』美術出版社 1973年
『墨牡丹』集英社 1974年
『みごもりの湖』新潮社（新鋭書き下ろし作品） 1974年
『罪はわが前に』筑摩書房 1975年
『手さぐり日本 「手」の思索』玉川大学出版部 1975年
『絵巻』沖積舎 1975年
『雲隠れの巻』西沢書店 1975年
『趣向と自然 中世美術論』古川書房 1975年
『優る花なき』ダイヤモンド社 1976年
『迷走』筑摩書房 1976年
『谷崎潤一郎 <源氏物語>体験』筑摩書房 1976年 のち叢書
『月皓く』集英社 1976年
『日本やきもの旅行 4 唐津・有田・小鹿田・高取・薩摩・壷屋』平凡社 1976年
『神と玩具との間 昭和初年の谷崎潤一郎』六興出版 1977年
『誘惑』筑摩書房 1977年
『茶ノ道廃ルベシ』北洋社 1977年
『梁塵秘抄-信仰と愛欲の歌謡』日本放送出版協会（NHKブックス） 1978年
『中世と中世人』平凡社 1978年
『顔と首』小沢書店 1978年
『牛は牛づれ』小沢書店 1979年
『日本史との出会い』筑摩書房 1979年（ちくま少年図書館）
『初恋』講談社 1979年
『京・あす・あさって』北洋社 1979年
『蘇我殿幻想』筑摩書房 1979年
『極限の恋 対談集』出帆新社 1980年
『風の奏で』文藝春秋 1981年
『冬祭り』講談社 1981年
『古典愛読』中公新書 1981年
『面白い話』法藏館 1982年
『閑吟集 孤心と恋愛の歌謡』日本放送出版協会（NHKブックス）1982年
『春は、あけぼの』創知社 1984年
『からだ言葉の本』筑摩書房 1984年
『北の時代』筑摩書房 1984年
『洛東巷談・京とあした』朝日新聞社 1985年
『京と、はんなり』創知社 1985年
『絵とせとら論叢』創知社 1986年
『京のわる口』平凡社 1986年 のちライブラリー
『秦恒平の百人一首』平凡社 1987年
『茶も、ありげに』淡交社 1988年
『秋萩帖』芸術新聞社 1988年
『一文字日本史』平凡社 1989年
『京都感覚』筑摩書房 1989年
『親指のマリア』筑摩書房 1990年
『美の回廊』紅書房 1990年
『修羅』筑摩書房 1991年
『死なれて・死なせて』弘文堂 1992年（叢書死の文化）
『名作の戯れ 『春琴抄』『こころ』の真実』三省堂 1993年
『日本語にっぽん事情』創知社 1994年
『青春短歌大学』平凡社 1995年
『京都、上げたり下げたり』清流出版 1995年
『猿の遠景 絵とせとら文化論』紅書房 1997年
『作家の批評』清水書院 1997年
『東工大「作家」教授の幸福』平凡社 1997年
『能の平家物語』朝日ソノラマ 1999年
『元気に老い、自然に死ぬ』山折哲雄対談 春秋社 2001年
『からだ言葉・こころ言葉』三省堂 2002年
研究
* 原善『秦恒平の文学 夢のまた夢』右文書院 1994年
秦恒平の文学は、古典への深い理解と、そこから生まれる独自の視点が魅力です。彼の作品は、日本の文化や歴史に対する新たな発見をもたらし、読者を魅了し続けています。
秦恒平の家族構成にも触れておきましょう。作家の秦建日子は長男であり、長女・朝日子の夫は押村高氏です。評論家の北沢恒彦は実兄であり、文芸評論家・作家の黒川創氏は甥にあたります。「大きな古時計」の作詞家として知られる保富康午は、妻の兄です。
秦恒平の文学的関心は、日本の平安朝から中世にかけての古典に深く根ざしており、これらの時代をモチーフとした作品や評論を多数発表しています。特に、谷崎潤一郎に傾倒しており、谷崎に関する著書も多くあります。また、1980年代には、小森陽一による夏目漱石の『こゝろ』の解釈に賛同し、「私」が「静」と結ばれるという筋の戯曲も手がけました。
秦恒平は、自著のうち絶版となった作品を、代表作の一つである『みごもりの湖』にちなんで「湖（うみ）の本」として再刊行しており、これらの作品の多くは自身のウェブページで読むことができます。この活動は、自身の作品を広く読者に届けたいという強い思いの表れと言えるでしょう。
主な著書
『清経入水』星野書店 1969年 のち角川文庫
『秘色』筑摩書房 1970年
『花と風』筑摩書房 1972年
『慈子』筑摩書房 1972年 のち集英社文庫
『廬山』芸術生活社 1972年
『閨秀』中央公論社 1973年
『女文化の終焉』美術出版社 1973年
『墨牡丹』集英社 1974年
『みごもりの湖』新潮社（新鋭書き下ろし作品） 1974年
『罪はわが前に』筑摩書房 1975年
『手さぐり日本 「手」の思索』玉川大学出版部 1975年
『絵巻』沖積舎 1975年
『雲隠れの巻』西沢書店 1975年
『趣向と自然 中世美術論』古川書房 1975年
『優る花なき』ダイヤモンド社 1976年
『迷走』筑摩書房 1976年
『谷崎潤一郎 <源氏物語>体験』筑摩書房 1976年 のち叢書
『月皓く』集英社 1976年
『日本やきもの旅行 4 唐津・有田・小鹿田・高取・薩摩・壷屋』平凡社 1976年
『神と玩具との間 昭和初年の谷崎潤一郎』六興出版 1977年
『誘惑』筑摩書房 1977年
『茶ノ道廃ルベシ』北洋社 1977年
『梁塵秘抄-信仰と愛欲の歌謡』日本放送出版協会（NHKブックス） 1978年
『中世と中世人』平凡社 1978年
『顔と首』小沢書店 1978年
『牛は牛づれ』小沢書店 1979年
『日本史との出会い』筑摩書房 1979年（ちくま少年図書館）
『初恋』講談社 1979年
『京・あす・あさって』北洋社 1979年
『蘇我殿幻想』筑摩書房 1979年
『極限の恋 対談集』出帆新社 1980年
『風の奏で』文藝春秋 1981年
『冬祭り』講談社 1981年
『古典愛読』中公新書 1981年
『面白い話』法藏館 1982年
『閑吟集 孤心と恋愛の歌謡』日本放送出版協会（NHKブックス）1982年
『春は、あけぼの』創知社 1984年
『からだ言葉の本』筑摩書房 1984年
『北の時代』筑摩書房 1984年
『洛東巷談・京とあした』朝日新聞社 1985年
『京と、はんなり』創知社 1985年
『絵とせとら論叢』創知社 1986年
『京のわる口』平凡社 1986年 のちライブラリー
『秦恒平の百人一首』平凡社 1987年
『茶も、ありげに』淡交社 1988年
『秋萩帖』芸術新聞社 1988年
『一文字日本史』平凡社 1989年
『京都感覚』筑摩書房 1989年
『親指のマリア』筑摩書房 1990年
『美の回廊』紅書房 1990年
『修羅』筑摩書房 1991年
『死なれて・死なせて』弘文堂 1992年（叢書死の文化）
『名作の戯れ 『春琴抄』『こころ』の真実』三省堂 1993年
『日本語にっぽん事情』創知社 1994年
『青春短歌大学』平凡社 1995年
『京都、上げたり下げたり』清流出版 1995年
『猿の遠景 絵とせとら文化論』紅書房 1997年
『作家の批評』清水書院 1997年
『東工大「作家」教授の幸福』平凡社 1997年
『能の平家物語』朝日ソノラマ 1999年
『元気に老い、自然に死ぬ』山折哲雄対談 春秋社 2001年
『からだ言葉・こころ言葉』三省堂 2002年
研究
* 原善『秦恒平の文学 夢のまた夢』右文書院 1994年
秦恒平の文学は、古典への深い理解と、そこから生まれる独自の視点が魅力です。彼の作品は、日本の文化や歴史に対する新たな発見をもたらし、読者を魅了し続けています。
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