秦皇島市

秦皇島市（しんこうとう/チンホワンダオ）

秦皇島市は、中華人民共和国河北省の東端に位置する地級市です。渤海湾に面した港湾都市であり、風光明媚な景観と歴史的な観光地を有することで知られています。特に、高級避暑地である北戴河や、万里の長城の東端に位置する山海関は、国内外から多くの観光客が訪れる人気のスポットです。

地理

秦皇島市は、河北省の最東部に位置し、渤海湾に面しています。東は遼寧省葫芦島市、南西は河北省唐山市、北西は承徳市と隣接しています。沿岸部は美しい海岸線が続き、内陸部には山地が広がっています。

歴史

秦皇島市の歴史は古く、古代には孤竹国の領域であり、戦国時代には燕国の遼西郡に編入されました。市名の由来は、秦の始皇帝が不老不死の仙人を求めてこの地を訪れたという伝説にちなんでいます。北戴河の蓮蓬山には、秦始皇帝や歴代の皇帝が巡視した碣石が残されています。

明代には、万里の長城の東端となる山海関が築かれました。山海関は、明朝と北方民族との間の重要な軍事拠点となり、数々の戦いの舞台となりました。清朝の時代には、呉三桂が清軍を迎え入れた場所としても知られています。

1898年には秦皇島港が開港し、鉄道も開通するなど、近代的な港湾都市としての発展が始まりました。北戴河は、清朝によって外国人にも開放された避暑地となり、多くの外国人が訪れるようになりました。中華人民共和国成立後も、北戴河は中国共産党幹部のための高級避暑地として利用され、重要な会議が数多く開催されました。1971年には、林彪がクーデターを計画し、逃亡中に墜落死するという事件も発生しました。

行政区画としては、1948年に省轄市としての秦楡市が設置されたのが始まりです。その後、秦皇島市と山海関市に分割されたり、再び編入されたりするなどの変遷を経て、1983年に地級市に昇格し、現在に至ります。

行政区画

秦皇島市は、4つの市轄区、2つの県、1つの自治県を管轄しています。

市轄区：海港区、山海関区、北戴河区、撫寧区
県：昌黎県、盧竜県
自治県：青竜満族自治県

経済

秦皇島港は、原油や石炭などのエネルギー資源の輸出拠点として、中国経済において重要な役割を担っています。1984年には、沿岸開放都市（経済開発区）に指定され、外国企業の進出が促進されています。日系企業としては、太平洋セメント、旭硝子、ジーマックスなどが進出しています。

教育

秦皇島市内には、以下の高等教育機関があります。

燕山大学
東北大学秦皇島分校

スポーツ

秦皇島オリンピック・スポーツセンター・スタジアムは、2008年の北京オリンピックのサッカー競技の会場となりました。

観光

秦皇島市には、以下のような観光名所があります。

山海関：万里の長城が海に入る東端。「天下第一関」と呼ばれる東城門が有名です。
孟姜女廟：長城建設の悲話を伝える伝説の地です。
秦皇求仙入海処：秦の始皇帝が不老長寿の仙人を求めて滞在した場所とされています。
北戴河：風光明媚な海岸で、海水浴場があります。中国政府要人の避暑地としても有名です。

交通

秦皇島市は、北京とハルビンを結ぶ京哈線が通過しており、秦皇島駅が設けられています。秦皇島港には、韓国の仁川港とを結ぶ国際定期航路があります。また、山海関と秦皇島港の間には秦皇島空港があり、上海、深圳、福州などへの定期航路が就航しています。

姉妹都市・友好都市

姉妹都市：富山市（日本）、宮津市（日本）、江東区（韓国）、トレド（アメリカ合衆国）
* 友好都市：苫小牧市（日本）

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