秦豊助

秦豊助についての詳細

秦豊助（はた とよすけ）は、1872年9月29日に東京で生まれた日本の内務官僚及び政治家である。彼は衆議院議員や拓務大臣として活躍し、その政治活動や経歴は日本の近代政治史において重要な位置を占めている。

幼少期と教育

秦は、回船問屋である秦源祐の長男として東京の築地で生まれ、高等教育を受けた。彼は東京府立一中、日本中学校、第一高等中学校で学んだ後、1896年に帝国大学法科大学の政治学科を卒業した。卒業後、内務省の官僚としての道を歩むことになる。

内務省でのキャリア

卒業後すぐに内務属として内務省に入省し、参事官室あるいは県治局での勤務に従事した。1897年には福井県の参事官に就任し、愛媛県、千葉県、そして神奈川県へと転任していく。この間、彼は特に神奈川県では勧業課長として多くの改革を手掛けた。1905年には欧州への出張も経験し、その後、長崎県の事務官及び内務部長の役職に就任した。

知事としての実績

1912年、秋田県知事に任命された秦は、知事としての手腕を発揮し、後に徳島県知事にも就任する。1915年には職務を休職し、その後は政治の道へと進む決意を固めた。

政治家としての活動

1915年、埼玉県第一区から衆議院議員に立候補し、見事当選を果たす。以降、1932年までの間、衆議院議員として7期連続で当選し続ける。この間、彼は逓信次官や海軍政務次官、さらに初代商工政務次官を歴任する。

拓務大臣への就任

1931年には犬養内閣の拓務大臣に就任し、五・一五事件の後もその任にあたった。こうした経験から、彼は日本の外務や拓務の発展に寄与したと言える。秦は国光生命保険相互会社の取締役としても活動し、広範な分野での影響力を持っていた。

栄典

彼の業績は高く評価され、1912年には勲四等瑞宝章、1920年には旭日中綬章、さらに1921年には第一回国勢調査記念章を授与された。これらの栄典は彼の政治家としての功績を象徴するものである。

伝記

秦豊助に関する伝記は、秦五十子によって編纂された『秦豊助』が存在し、彼の生涯や業績が詳述されている。また、彼の政治活動や公務員としての活動を詳細に知るためには、秦郁彦編の『日本近現代人物履歴事典』や、衆議院・参議院編の『議会制度七十年史 - 衆議院議員名鑑』などの参考文献が重要である。

結論

秦豊助の生涯は、日本の明治大正期における政治の動向や官僚制度の変遷を映し出すものであり、彼の業績は今後の政治家たちにも引き継がれるべき重要なものと言える。

もう一度検索