税金党

税金党の概要

税金党（ぜいきんとう）は、1983年に設立された日本の政党で、主に中産階級向けの税制改革を掲げていました。この政党は、もともと新自由クラブに所属していた野末陳平が、1983年の第13回参議院議員通常選挙を控えて離党する形で結成されました。税金党は、不公平な税制の解消を目指し、特に「クロヨン」と呼ばれる税制の問題に焦点を当てていました。また、グリーンカード制度（総合課税制度）の導入も重要な政策の一つとして打ち出していました。

野末は、東京都選挙区から見事に再選を果たしましたが、同時に導入された比例代表区では候補者を立てることができませんでした。1986年には第14回参議院議員通常選挙が行われ、税金党は初めて比例区に9人を候補として擁立しました。東京都選挙区には、野末の秘書である海江田万里を立てましたが、当選したのは比例区で1位にランクされた秋山肇（元新自由クラブの都議団幹事長）のみでした。

1989年の第15回参議院議員通常選挙では、野末が再び東京都選挙区での当選を果たしました。比例区の候補者からも1位の横溝克己（早稲田大学理工学部の教授）が当選しましたが、横溝は任期中の1990年に亡くなり、第2位の星野朋市が繰り上げ当選しました。しかし、1990年に税金党は解党する決定を下しました。その後、当時の所属議員であった野末、秋山、星野は、自民党に入党し、渡辺派の政科研に加わりました。ところが、党のリーダーである渡辺美智雄が自民党総裁選に敗れ、病を患った結果、政党の勢力は次第に衰えていきました。

1992年の第16回参議院議員通常選挙では、秋山が落選し、さらに1993年には野末と星野が自民党を離党し、新生党を経衆て新進党に参加しました。とはいえ、新進党から離脱し無所属に戻った野末に対し、星野は新進党にとどまり続けました。その後、星野は1995年の第17回参議院議員通常選挙において、新進党の比例区名簿で18位の下位で当選を果たしましたが、他の党と異なる経歴を持つ選手に次第に移籍し、最終的には政界から引退しました。

一方、野末は自著『国会議員、人とお金のお作法』（講談社）において星野を批判する発言をしており、これが二人の間の不仲を引き起こしたことは疑いの余地がありません。税金党は短い歴史を持ちながらも、日本の政界において一時的に存在感を示しました。税制改革に関する提案や活動は、その後の様々な政治的議論に影響を与えたかもしれません。

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