種子屋久高速船

種子屋久高速船株式会社について

種子屋久高速船株式会社は、鹿児島県に本社を置く日本の海運会社です。鹿児島と種子島、屋久島を結ぶ高速船を運航しています。この航路は、かつて岩崎グループの鹿児島商船と、市丸グループのコスモラインがそれぞれ運航していましたが、競争激化により経営が悪化したため、2012年に両社が統合して設立されました。

設立の背景

1989年、鹿児島商船が高速船航路を就航させましたが、運賃が高止まりし、島民から不満の声が上がっていました。2004年には、コスモラインが参入し、競合航路となりました。2008年頃には、日本のジェットフォイルの3分の1が、種子島・屋久島航路に集中するほどでした。

両社は激しい競争を繰り広げ、運賃は下落しましたが、輸送力が過剰となり、年間乗船率は30%程度に低迷、両社合わせて年間10億円程度の赤字を出すという状況でした。このままでは共倒れになることが懸念されたため、鹿児島県などが仲介に入り、高速船事業の統合が発表されました。

2011年10月に両グループが合弁で種子屋久高速船を設立し、2012年4月1日から運航を開始しました。出資比率は岩崎グループが54％、市丸グループが27％で、残りは金融機関や自治体などが担っています。社長には市丸隆二郎氏が就任しました。

統合に伴い、2往復が減便され、現在は9往復となっています。

船舶

両社とも、ボーイング929（ジェットフォイル）を運航していました。鹿児島商船は5隻、コスモラインは3隻を保有していました。統合時の協定により、両社とも3隻ずつの保有となり、鹿児島商船は2隻を減船・売却しました。

船舶は両社がそれぞれ引き続き保有しており、愛称は旧鹿児島商船の「トッピー」、旧コスモラインの「ロケット」がそのまま承継されています。新会社でもそれぞれの呼称が並称されています。

沿革

2012年4月1日 - 種子屋久高速船株式会社設立。
2021年7月1日 - 新型コロナウイルス感染症の影響で利用者が激減し、経営が悪化したため運賃を改定(値上げ)。緩和措置として、搭乗14日前までの予約で約35%引きとなる「早割14」を、繁忙期を除く12月末まで設定。

航路

鹿児島港本港区南埠頭（鹿児島市）と指宿港（指宿市）を経由し、種子島の西之表港（西之表市）と屋久島の宮之浦港または安房港（屋久島町）を結んでいます。

季節などによって便数が変わります。指宿港に寄港しない便や、種子島・屋久島経由の順序が変わる便、各島への直行便などがあります。

高速船「トッピー」「ロケット」

ボーイング929（ジェットフォイル）による運航で、トッピー2・3・7、ロケット1・2・3の計6隻体制で運航しています。

かつては、高速船トッピー時代に、[種子島]⇔宮崎、西之表⇔島間(種子島南種子町)という航路も存在していました。

脚注

* 高速船トッピー・ロケット - 種子屋久高速船

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