鹿児島商船

鹿児島商船について

鹿児島商船は、鹿児島県鹿児島市に本社を置く海運会社です。かつては鹿児島と種子島、屋久島を結ぶ高速船とフェリーを運航していました。2012年4月1日に岩崎グループと市丸グループが合同で種子屋久高速船を設立したことに伴い、高速船事業は新会社に統合されましたが、船舶の保有は継続しています。

鹿児島商船は、いわさきグループの一員です。

沿革

鹿児島商船は、長年にわたり地域の人々の足として、また観光客の輸送を担ってきました。その歴史の中で、航路の変遷や船舶の更新、提携先の変更など、様々な出来事を経験しています。2012年の高速船事業統合は、同社にとって大きな転換点となりました。

航路

鹿児島商船が運航していた主な航路は以下の通りです。

鹿児島・指宿 - 種子島・屋久島航路

この航路は、海上運送法による指定区間となっており、高速船だけでなく、車両輸送のニーズに応えるためフェリーも運航されていました。かつては九州商船との提携で運航していましたが、同社が2004年に航路を廃止したため、一時的に指定区間の基準を満たせない状態になりました。その後、自社運航のフェリー「ぶーげんびりあ」の就航により基準を回復し、後に「はいびすかす」が就航しました。

屋久島航路では、2000年から折田汽船と提携していましたが、同社がコスモラインとの提携に切り替えたため、2005年に提携を解消。その後、「はいびすかす」の就航により再び基準を満たすようになりました。2008年からはフェリー「屋久島丸」も就航しましたが、2011年に運航を終了しています。

高速船「トッピー」

ボーイング929（ジェットフォイル）を3隻保有しており、コスモラインの3隻と合わせて計6隻が種子屋久高速船によって運航されています。船名はトビウオの方言に由来します。2009年10月からは、鹿児島～種子島航路でコスモラインと共同運航（コードシェア）を開始しました。

主な寄港地は以下の通りです。

鹿児島港本港区南埠頭（鹿児島市）
指宿港（指宿市）
種子島・西之表港（西之表市）
屋久島・宮之浦港または安房港（屋久島町）

便数は季節によって変動し、指宿港に寄港しない便や、種子島・屋久島への直行便、経由順序が異なる便などがあります。

フェリー「はいびすかす」

1日1往復で運航されており、鹿児島港・谷山港二区（鹿児島市）～種子島・西之表港（西之表市）～屋久島・宮之浦港（屋久島町）を結んでいます。

夕方に鹿児島港を出港し、夜間に西之表港に到着、翌朝宮之浦港へ向かい、同日中に折り返すというダイヤで運航されています。かつて屋久島航路に「屋久島丸」が就航していた時期は、朝に鹿児島港を出港し、昼過ぎに西之表港へ入港・出港し、夕方に鹿児島港へ戻るというダイヤでした。代理店は鹿商海運が担当しています。

かつて運航していた航路

フェリー「屋久島丸」
2011年1月31日に運休。航路そのものが廃止されました。
山川 - 根占航路
2006年から官民共同で運航していましたが、2010年3月に運休。その後、南九船舶が航路を再開しました。

船舶

鹿児島商船が保有していた主な船舶は以下の通りです。

高速船（ジェットフォイル）

トッピー1：1989年竣工、260名定員。現在は東海汽船へ移籍し「セブンアイランド友」として運航。
トッピー2：1992年竣工、260名定員。
トッピー3：1995年竣工、260名定員。
トッピー5：2007年就航。プレミアムシート装備。現在は隠岐汽船へ移籍し「レインボージェット」として運航。
トッピー7：1979年竣工、256名定員。旧「トッピー4」を改名。

その他

はいびすかす：1994年竣工、1,566総トン、212名定員。RO-RO船をフェリーに改装。運航、保有は新屋敷商事。
屋久島丸：1982年竣工、2008年就航、4,011総トン。元佐渡汽船「こさど丸」を改造。2011年に運航終了。
ぶーげんびりあ：1991年竣工、2005年就航、1,478総トン、200名定員。元佐渡汽船「えっさ丸」。指宿市および南大隅町が所有。

参考文献

日本船舶明細書I 2008年版 - 社団法人 日本海運集会所

関連項目

いわさきグループ各社
岩崎産業
いわさきコーポレーション
鹿児島交通
鹿児島交通観光バス
大隅交通ネットワーク
三州自動車
いわさきバスネットワーク
種子島・屋久島交通
コスモライン
折田汽船

外部リンク

高速船トッピー・ロケット - 鹿児島商船
山川～根占フェリー - 南大隅町
* いわさきコーポレーション - いわさきコーポレーション

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