種子田秀実

種子田 秀実（たねだ ひでみ）

種子田 秀実（旧字体：種子田 秀實）は、慶應3年12月29日（1868年1月23日）に生まれ、昭和11年（1936年）4月25日にその生涯を閉じた大日本帝国陸軍の軍人です。最終的な階級は陸軍中将に至り、正四位勲二等功五級の栄典を授けられました。

薩摩国鹿児島藩（現在の鹿児島県）において、鹿児島県士族である種子田休五郎氏の長男として生を受けました。軍人の道を志し、明治25年（1892年）に陸軍士官学校を第3期生として卒業します。卒業後は部隊勤務を経て、日清戦争に将校として出征し、実戦経験を積みました。戦争終結後、さらなる知識と見識を深めるため、陸軍大学校への入校を許可され、明治33年（1900年）に同校を第14期の卒業生として修了しました。

明治37年（1904年）に日露戦争が勃発すると、種子田氏は第12師団の参謀として戦地に赴き、作戦立案などに携わりました。

その後も順調に昇進を重ね、大正元年（1912年）9月には陸軍歩兵大佐に進級し、宇都宮連隊区司令官を務めます。翌大正2年（1913年）8月には歩兵第8連隊長に転じ、部隊の指揮官としての手腕を発揮しました。大正4年（1915年）2月には近衛師団の参謀長という要職に就き、師団の中枢で重要な役割を担います。

大正6年（1917年）8月には陸軍少将へと昇進するとともに、歩兵第7旅団長を拝命し、より多くの部隊を率いる立場となりました。大正9年（1920年）8月には第8師団司令部附を経て、大正10年（1921年）7月に陸軍中将に昇進し、旅順要塞司令官という極めて重要な地位に就任しました。旅順要塞司令官として約2年間勤務した後、大正12年（1923年）8月に待命となり、翌9月には予備役に編入され、現役の軍務から離れました。

受章した栄典としては、位階は明治26年（1893年）の正八位から始まり、最終的に正四位にまで昇り詰めました。勲章としては、勲二等瑞宝章、勲四等旭日小綬章、そして功五級金鵄勲章を授与されています。また、外国からの栄典として、大韓帝国勲三等八卦章の佩用も許可されています。

種子田秀実は、日清・日露という二つの大きな対外戦争を経験し、参謀や連隊長、旅団長、さらには要塞司令官といった多岐にわたる要職を歴任しました。軍人としてのキャリアを陸軍中将で終え、日本の国防に貢献した人物の一人と言えます。

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