稲川一家

稲川一家とは

稲川一家は、1965年から1972年まで存在した暴力団組織です。その後、「稲川会」と改称されました。しかし、この名称は一度だけでなく、時代と人物によって異なる複数の「稲川一家」が存在しています。この記事では、それぞれの稲川一家の来歴と特徴について詳しく解説します。

最初の稲川一家（1965年～1972年）

最初の稲川一家は、第一次頂上作戦によって解散した政治結社「錦政会」（中核は稲川組）の後を受け、1965年に稲川組が改称して誕生しました。総長は稲川聖城が務めました。この稲川一家は、1972年に稲川会へと改称されるまで存在しました。

二番目の稲川一家（1980年～1990年）

稲川聖城の実子である稲川裕紘は、山崎屋一家の熱海の縄張りと山田一家の横浜の縄張を継承し、さらに両組織を吸収して、1980年に再び「稲川一家」を名乗りました。稲川裕紘は1990年に稲川会三代目会長に就任するまで、この稲川一家を率いました。

三番目の稲川一家（2005年～2007年）

稲川会三代目体制下の2005年には、稲川裕紘の実子である稲川英希が「三代目稲川一家」を名乗りました。しかし、稲川英希は2007年に引退したため、この「三代目稲川一家」も短期間で解散しました。

稲川一家の関係性

「三代」と名前が続いているように見えますが、これら三つの「稲川一家」はそれぞれ独立した組織であり、直接的な連続性はありません。稲川聖城、稲川裕紘、稲川英希という三人の人物が、それぞれの時代に「稲川一家」という屋号を名乗ったという点が共通しているのみです。

このように、稲川一家は時代と人物によって異なる複数の組織が存在した名称であり、それぞれの組織は独立した来歴を持っています。

参考文献

実話時代編集部『山口組血風録』（洋泉社）2005年
大下英治『首領 昭和闇の支配者 三巻』（大和書房）2006年

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