稲荷山駅

稲荷山駅：歴史と自然が交差する駅

長野県長野市篠ノ井塩崎に位置するJR東日本篠ノ井線の稲荷山駅は、その歴史と周辺環境から独特の趣を持つ駅です。駅名はかつて北国西街道最大の宿場町として栄えた稲荷山宿に由来しますが、駅自体は宿場町から約2km離れた場所に建設されました。これは、宿場町の衰退懸念や地元住民の反対意見が駅誘致の妨げとなった歴史的経緯によるものです。

明治33年（1900年）11月1日、篠ノ井線篠ノ井～西条間の開通と同時に開業。当初は旅客と貨物の両方を扱っていましたが、昭和46年（1971年）12月10日に貨物取扱いは廃止されました。その後、昭和48年（1973年）1月11日には業務委託駅となり、昭和60年（1985年）3月22日には駅員無配置駅となりました。国鉄分割民営化後の平成25年（2013年）9月には駅舎のリニューアル工事が完了し、令和7年（2025年）春以降にはICカード『Suica』の利用が可能になる予定です。

駅舎は相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、ホーム間は跨線橋で連絡しています。長野駅管理の簡易委託駅であり、窓口も設置されているため、利用者の利便性は確保されています。令和5年度（2023年度）の1日平均乗車人員は305人とされています。

稲荷山駅周辺は、歴史と自然が調和した環境が広がっています。駅名の由来となった稲荷山宿の面影を残す歴史的建造物や、三大長谷寺の1つである長谷寺、そして康楽寺といった寺社仏閣が点在しています。また、長野自動車道や千曲川も近く、自然豊かな環境も魅力の一つと言えるでしょう。

交通手段としては、長野市乗合タクシー横田塩崎線も利用でき、稲荷山駅前停留所から周辺地域へのアクセスも容易です。

近隣の駅としては、篠ノ井線の上り方向に姨捨駅、下り方向に篠ノ井駅があり、快速列車も一部停車します。普通列車は姨捨駅から当駅を経由して篠ノ井駅へと運行されています。

このように、稲荷山駅は歴史的な背景と、豊かな自然、そして現代的な利便性を兼ね備えた、特徴的な駅と言えるでしょう。駅周辺を訪れる際には、歴史と自然に触れ、ゆったりとした時間を楽しむことができるでしょう。

年表
明治33年（1900年）11月1日：開業。旅客・貨物取扱開始
昭和46年（1971年）12月10日：貨物取扱廃止
昭和48年（1973年）1月11日：業務委託駅となる
昭和60年（1985年）3月22日：駅員無配置駅となる
昭和62年（1987年）4月1日：JR東日本へ移管
平成25年（2013年）9月：駅舎リニューアル工事完成
令和7年（2025年）春以降：Suica利用開始予定

駅周辺
長谷寺
稲荷山宿
康楽寺
長野自動車道
長野南警察署長野市塩崎警察官駐在所
長野市乗合タクシー横田塩崎線（稲荷山駅前停留所）
千曲川

隣の駅
東日本旅客鉄道（JR東日本）篠ノ井線
聖高原駅（快速・一部通過）、姨捨駅（普通） - 稲荷山駅 - 篠ノ井駅

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