稲葉山城の戦い

稲葉山城の戦いとは

稲葉山城の戦い（1567年）は、織田信長が美濃国の斎藤氏の拠点・稲葉山城を攻略し、岐阜城と改名した攻城戦です。この戦いは天下統一を目指す信長の重要な一歩とされています。織田氏はこれ以前にも何度か城を攻めていましたが、落城の具体的な時期には議論の余地があります。現代の研究によると、1564年の落城説は支持されていません。

背景と状況の推移

稲葉山城は斎藤氏にとって美濃の政治的中心地であり、守りの要所でもありました。1544年または1547年の加納口の戦いを経て、当初は信長と斎藤氏が婚姻によって和睦しましたが、1556年に斎藤道三が自らの息子に討たれた結果、関係は再び悪化します。1589年、両者は戦闘を繰り返しますが、大きな勝利を手にすることはありませんでした。

1560年の桶狭間の戦いで信長が今川義元を討ったことを契機に、彼は美濃の攻略に本格的に着手。その後、さまざまな戦闘を経て、1564年に斎藤家の家臣が反乱を起こし、龍興は城を捨てることになります。このような状況下、信長は稲葉山城に目を付けました。

戦の進展

1567年8月、信長は斎藤家の家臣である稲葉良通・安藤守就・氏家直元の内応を受けて，攻撃を開始します。信長は迅速に兵力を増強し、城下まで進軍し、稲葉山城を包囲しました。信長の襲撃は意外性に満ち、城はあっという間に孤立します。

8月15日、龍興は脱出を試み、長良川を船で下って逃れますが、信長は城を完全に掌握しました。この戦の迅速な展開は、信長の軍事的才能を印象付けるものとなりました。

戦以降の動き

信長は征服した稲葉山城を岐阜城と改名し、そこを本拠地としました。そしてここから、天下統一を目指すために「天下布武」の政策を推進していきました。信長の成功は、彼の権力をかつてないほど強固にすると同時に、その後の戦国時代における勢力図も大きく変化させました。

逃げた斎藤龍興は、その後も反信長勢力に結集し、最終的には1573年の刀根坂の戦いで戦死するまで抵抗を続けました。

放送された逸話

伝説的な逸話として、美濃攻めの拠点としての墨俣一夜城の建設に秀吉が関与したとされています。秀吉は短期間で城を築き、信長から高く評価されましたが、これらの話は後世の創作と考えられ、信憑性は低いです。

結論

稲葉山城の戦いは織田信長にとってただの攻撃戦ではなく、彼の政権を確立する重要な事件でした。この戦をきっかけに信長は岐阜城を拠点として天下統一を目指し、戦国時代の流れを変える一大イベントとなったのです。

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