安藤守就

安藤 守就（あんどう もりなり）

安藤守就は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、美濃国の北方城を治めていました。彼は西美濃三人衆の一人としても知られ、姓は安東とも表記されます。

生い立ちと斎藤氏への仕官

文亀3年（1503年）に生まれた守就は、その父、安藤守利のもとで育ちました。彼の家系は元々伊賀姓を称しており、守就も時折伊賀姓を名乗っていました。初めは土岐頼芸に仕官したものの、美濃国が斎藤道三により支配されると、彼にも道三の家臣として仕える運命が待っていました。道三の信任を受け、稲葉良通や氏家直元らと共に西美濃三人衆として名を馳せます。特に村木砦の戦いでは、織田信長の援軍として派遣され、那古野城にも待機していたことが記録されています。

斎藤氏との抗争

弘治2年（1556年）には、道三とその子・斎藤義龍との抗争にも加わりました。この時、義龍に協力し、道三の死後は再び斎藤龍興に仕官しました。しかし、龍興が特定の重臣にばかり寵愛を注ぎ、守就をはじめとする三人衆が疎外されたため、彼はその不満を表明します。永禄7年（1564年）、守就は娘婿の竹中重治と共謀し、斎藤家が据えた稲葉山城を攻撃し、龍興に対抗しました。この攻撃により、龍興は戦わずして城を放棄せざるを得なくなります。

織田氏家臣としての活躍

その後、守就は斎藤家から離れ、織田信長に仕官します。永禄10年（1567年）、信長の美濃侵攻軍に内応し、そのまま忠臣として多くの戦に参加しました。彼は上洛戦や姉川の戦い、さらに元亀元年（1570年）の伊勢長島攻めなどの戦闘でも重要な役割を果たしました。特に伊勢長島攻めでは、三人衆の氏家直元が戦死する中、守就も重傷を負りました。守就は織田信長との関係を深める一方で、斎藤道三との交流も重視していたと言われています。

晩年と滅亡

しかし、天正8年（1580年）には信長により追放される不運に見舞われました。これは、彼の過去の抗争が信長にとって騒動を引き起こしかねないと見なされた結果とも言われています。その後、信長の死を受けて守就は再起を図りますが、再び敗北し、最終的には自も一族を連れて自害に至ります。これをもって美濃安藤氏は滅亡し、守就は享年80でこの世を去りました。

系譜と子孫

守就の家系は複数の子供を持ち、長男や次男など多くの子孫が残りました。特に長男の安東郷良は、後に平左衛門尉として名を挙げ、守就の血筋を引く人物として知られています。守就の弟や姉妹、さらにその子供たちも、様々な武家に仕官しながらその後の歴史に名を連ねていきました。

映画やドラマへの登場

安藤守就は、その武将としての生涯や活躍から、さまざまなメディアで取り上げられています。2011年のテレビドラマ「戦国疾風伝 二人の軍師」などに登場し、多くの視聴者にその名が知られています。彼の存在は戦国時代の激動の中で、重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

安藤守就は、日本の歴史における重要な武将の一人であり、彼の生き様を知ることは、戦国時代の理解を深める手助けとなります。

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