稲葉秀三

稲葉 秀三（いなば ひでぞう）

概要

稲葉秀三は、1907年4月9日に京都府京都市で生まれ、1996年4月17日に東京都港区で亡くなった、日本を代表する官僚、実業家、経済評論家である。彼は特に日本工業新聞社および産業経済新聞社の社長を務め、戦後の経済復興に大きな貢献を果たした。

学歴とキャリアの始まり

彼は、1931年に京都帝国大学文学部哲学科を卒業した後、1934年には東京帝国大学経済学部を卒業。1937年、企画院に入省し、物資動員計画の策定に携わる。しかし、彼の報告書が軍部に不都合とされ、左翼とみなされたため、太平洋戦争前夜に革新官僚の一員として逮捕され、3年間の拘置を余儀なくされた。その後は無罪となり、戦後の復興に尽力することとなった。

戦後の復興と経済活動

戦後は経済安定本部にて日本経済復興計画に従事し、その功績によって経済復興が進む。彼は、1946年に日本初の本格的な経済シンクタンク、国民経済研究協会を設立し、経済調査の基盤を築く。その後、1986年から1993年まで社会経済国民会議の議長を担い、1992年には連合の代表世話人となるなど、経済界において重要なポジションを占めた。

企業経営への貢献

1962年にはサンケイ新聞の論説主幹に就任し、その後日本工業新聞社社長、さらに産業経済新聞社社長を歴任。これらの役職を通じて、情報化時代の進展に貢献し、新聞産業の運営に新しい視点をもたらす。彼の指導のもとで、新聞社は新しい情報技術に適応し、読者のニーズに応える努力を重ねていった。

著作と影響

稲葉は経済や社会に関する多くの著作を残しており、その中には『賃金はいかにきめられているか』や『激動30年の日本経済』などがある。彼の著作は、経済学の基礎知識を広め、またその後の日本の経済状況を理解するための重要な資料となっている。さらに、彼は多くの翻訳も手掛け、国際的な経済理論の紹介にも力を入れた。

最後の年

1996年4月17日、腎不全のため89歳で亡くなった。数十年にわたるキャリアを通じて、稲葉は日本経済の発展に多大な貢献をし、彼の業績は今なお多くの人々に影響を与えている。彼の施策や考え方は、現在の経済評論やビジネスの営みで今なお生き続けている。彼の人生は、知識と経験、そして情熱を持って国の発展に尽くしたいくつかの例の一つとして、多くの人に記憶され続けるだろう。

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