稲部和久

稲部和久

稲部和久（いなべ かずひさ）は、1941年12月14日に岩手県で誕生した元騎手です。彼は1961年3月にデビューし、約20年にわたって日本の競馬界で活躍しました。デビュー当初は苦戦を強いられましたが、早々に勝利を収めると、その後の騎乗で数々の成功を収めることとなります。

経歴

稲部は東京・本郷重彦厩舎からキャリアをスタートし、デビュー初日に行われたレースでは9着と振るわなかったものの、同年の4月には初勝利を挙げ、その年には15勝をマークしました。以来、1961年から1976年までの16年間連続で2桁の勝利を記録し、特に1962年と1963年にはそれぞれ14勝、重賞1勝を挙げています。

1963年には東京障害特別（秋）で重賞初制覇を達成。しかし当時、フジノオーの主戦騎手としても注目され、選択の結果、キンタイムを選びましたが、フジノオーは見事にレースを制しました。

彼の印象深い実績には、1965年にフジノチカラで東京障害特別（春）を制したことや、同年末のCBC賞でエイトクラウンを破って平地重賞初勝利を挙げたことがあります。この4年間の間に36勝を達成し、特に1966年には平地15勝、障害12勝という両方で素晴らしい結果を残しました。

1968年には栗東・工藤嘉見厩舎に移り、そこでも成功を収めました。1969年には中日新聞杯で初騎乗ながらレコード勝ちを達成し、さらにその後も中京記念で2着と好走します。この半ばには平地のレース専念に切り替え、さらに躍進します。

1971年に移籍した諏訪佐市厩舎では、スリービートで愛知杯を制覇し、1972年には中日新聞杯で菊花賞馬ニホンピロムーテーに続く3着を獲得。秋には活躍の場を広げ、1974年には後輩騎手出口隆義に対して技術的アドバイスを行いながら、さらなる自分自身の成長も重ねていきました。

1975年にはスリーフラムできさらぎ賞を制し、1976年には大レースで3着と健闘しました。この年11勝を挙げてそのキャリアの集大成となりましたが、1977年からの成績は芳しくなく、最終的に1979年に復帰した本郷重彦厩舎で引退を迎えました。最後のレースは1980年に行われた小倉であり、ここでの結果をもって彼は競技人生を終えることとなりました。

騎手成績と主な騎乗馬

稲部和久にとって忘れられない騎乗馬には、キンタイム（1963年東京障害特別（秋））、フジノチカラ（1965年東京障害特別（春））、シヨウゲツ（1965年CBC賞）などがあります。これらの馬たちとの歩みを通じて、彼は数々の記録を残し、多くのファンに愛されました。

彼の競馬キャリアは、馬への愛情と敬意にあふれ、その実績からも多くの後進に多大な影響を与える存在となっています。

もう一度検索