突山郡

突山郡

概要

突山郡（トルサンぐん、조선어: 돌산군）は、かつて大韓民国全羅南道の東南部に位置していた行政区域（郡）です。その歴史は古く、百済時代に遡ります。しかし、この郡は一度廃止され、李氏朝鮮末期に再設置された後、1914年に実施された大規模な行政区域再編によって再び姿を消しました。現在の麗水市の一部などに、かつての突山郡の領域が含まれています。

歴史的な変遷

突山郡の歴史は、紀元538年に百済の時代に突山県としてその名が登場するところから始まります。統一新羅時代の757年には、行政区画の改編に伴い廬山県と改称され、昇平郡の管轄下に置かれました。高麗時代に入り、940年には再び突山県の名に戻されますが、1018年には順天郡（現在の順天市周辺）に編入される形で一旦廃止となります。

李氏朝鮮時代には、1488年に突山島に水軍の拠点として防踏鎮が設置されました。これは当時麗水に置かれていた全羅左道水軍節度使営の指揮下にありましたが、1895年には廃止されています。

近代に入り、1896年には羅州府の一部として、興陽郡、楽安郡、順天郡、光陽郡にそれぞれ分散して所属していた計69もの島嶼部を統合し、新たな行政区域として羅州府突山郡が設置されました。この時、郡の内部には8つの面が置かれました。同年8月には、全国的な行政区域の再編に伴い、全羅南道突山郡として再編成されます。翌1897年には、新たに設置された麗水郡にその一部が編入されるなど、設置後も短期間のうちに管轄区域の変動がありました。

管轄区域と廃止

1896年に再設置されてから1914年に廃止されるまでの間、突山郡は主に斗南面、南面、華蓋面、玉井面、三山面、太仁面、蓬莱面、錦山面の8つの面で構成されていました。

しかし、1914年4月に行われた朝鮮総督府による郡面統合政策により、突山郡は廃止されることとなりました。この廃止に際し、突山郡を構成していた各面はその全てが近隣の郡に分割編入されました。具体的には、斗南面、南面、華蓋面、玉井面、三山面の5面は麗水郡に、蓬莱面と錦山面の2面は高興郡に、そして太仁面は光陽郡にそれぞれ編入されました。

廃止後の状況

かつて突山郡の中心的な役割を担っていた斗南面は、麗水郡への編入後、1917年に突山面に改称されました。さらに時代が下り、1980年には突山邑に昇格しています。1998年には、麗水市と麗川市、麗川郡が統合されて新たな麗水市が誕生しましたが、この統合により、旧突山郡の領域の大部分が現在の麗水市に属することとなりました。光陽郡に編入された太仁面は現在の光陽市の一部に、高興郡に編入された蓬莱面と錦山面は現在の高興郡の一部となっています。

関連項目

麗水市
光陽市
* 高興郡

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