立法院 (中華民国)

立法院（りっぽういん）

中華民国の立法院は、同国の唯一の立法機関として重要な役割を果たしています。その設立は、孫文による「五権分立」理論に基づき、行政・司法・考試・監察の各機関と協力して運営されています。立法院における議員は「立法委員」と呼ばれており、彼らは法案や予算の承認から憲法改正の提案まで、多岐にわたる権限を有しています。

立法院の権限

立法院の権限は、他国の立法機関と同様に法案の可決および予算案の承認、さらには条約の承認権を含みます。特に中華民国の立法院には、以下のような特色ある権限があります。

• - 人事同意権: 正副司法院長や大法官、行政院長などの人事について同意する権限を持つ。
• - 不信任案議決権: 行政院長を対象とした不信任案を審議できる権限。
• - 罷免案提案権: 正副総統に対する罷免を提案し、可決される場合には国民投票を行うことが可能。
• - 弾劾案議決権: 正副総統を弾劾するための権限を持つ。
• - 領土変更権: 領土に関する変更を提案する権限を有する。

これらの権限によって、立法院は中華民国における政治の根幹を形成しており、高い影響力を持つ機関です。

立法院の歴史

1928年に中国国民党が成立した際には49名の委員からスタートしました。その後、1948年に初の憲政下の立法委員選挙が行われ、759名が選出されましたが、1949年の内戦に敗れ、台北へ移転。移転後は長期間にわたり議員の改選が行われず、「万年国会」と称される時代が続きました。

1991年には、李登輝総統の指導のもとで改選が実施され、以降の選挙では定期的に立法委員が選出されるようになりました。2004年の憲法改正により、委員定数を113名に縮小し、任期も4年を採用しました。このように時代に応じた改正が進み、立法院は現在もその役割を果たしています。

現在の構成と選挙

立法院の定数は113名で、選挙区制を採用しており、各議員は台湾地域の有権者によって選ばれます。有権者は20歳以上の中華民国国籍保有者であり、選挙では候補者と政党にそれぞれ投票します。議席は小選挙区や原住民枠、比例代表を通じて配分される仕組みです。

2024年の選挙結果を受けて、立法院の構成に変化が生じる可能性があります。立法院長は中華民国の国会議長に相当し、現在は韓国瑜氏がその職に就いています。

近年の活動

近年の立法院では議員間の対立が顕著であり、特に与党と野党の対立が激化しています。2020年には、政府の豚肉輸入規制の緩和を巡り、野党が議場で抗議行動を行うなど、緊張した政治状況が続いています。こうした情勢は、立法院が依然として政治の舞台において重要な役割を果たしていることを示しています。

立法院の動向は、中華民国の政治において常に注目されており、その権力や影響力は今後も変わらず続くことでしょう。

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