韓国瑜

韓 國瑜（ハン・グォユィ）

1957年6月17日生まれ、中華民国の政治家。外省人であり、中国国民党に所属。2020年の中華民国総統選挙では同党の公認候補として出馬したが、落選。

経歴

学歴

陸軍歩兵学校、東呉大学外国語学部英文学科を経て、国立政治大学東亜研究科修士課程を修了。また、北京大学政府管理学院の博士課程にも在籍していたとされる。

政界入り

大学卒業後は、省立花蓮師範学院、世新学院、中国文化大学などで教鞭を執る傍ら、中国時報の撰述委員も務めた。1990年代に台北県議会議員を経て、立法委員を3期務めた。その後、中和市副市長（現・新北市中和区副区長）を経て、台北農産運銷公司の総経理などを務めた。

立法委員時代

陳水扁暴行事件

1993年、立法院国防委員会で、民進党の陳水扁が退役軍人関連予算について「栄胞を養豚の豚と見なしている」と発言。これに激怒した韓は、陳の机をひっくり返し、頭部を殴打。陳は3日間入院し、双方の支持者が衝突する事態に発展した。

台湾第四原子力発電所

1994年、台湾第四原子力発電所の建設をめぐり、反核団体が建設支持派の韓らのリコールを請求。署名が集まり住民投票が行われることになったが、与党の国民党が公職人員選挙罷免法を改正し、リコールの成立要件を厳格化したことで、リコールは否決された。

2017年中国国民党主席選挙

2017年、党主席選挙に立候補。「一国二地区」の明文化を主張したが、落選した。

2018年中華民国統一地方選挙

2018年、高雄市長選挙で国民党公認候補として出馬。当初は泡沫候補と見られていたが、蔡政権への不満を取り込み支持を拡大。20年ぶりに国民党系市長となった。この現象は「韓流」と呼ばれた。選挙期間中は、「1本のミネラルウォーター、1杯の滷肉飯」をスローガンに庶民性をアピール。しかし、選挙運動での政治資金収支は対立候補の約2倍だったことが判明している。

高雄市長就任

両岸関係

中台平和協定に対する態度

2019年、中国との平和協定について、「現状では統一を受け入れられない」としながらも、「平和協定は避けがたい」と述べた。

国台弁主任らとの会談

2019年3月、香港、マカオを含む中国各地を訪問。中国要人と会談し、農水産物輸出意向書を締結。この会談が「密会」と批判された。国台弁との会談で「九二共識を強く支持する」と表明。

香港の反送中デモに対する態度

香港の反送中デモについて、「よく知らない」と回答し批判を浴びた。後に「香港の民主制度を支持する」と述べた。

自由貿易経済特区条例草案の支持

国民党が提出した自由貿易経済特区条例草案を支持したが、「中国製品の産地偽装を幇助するものだ」と批判された。

高雄ライトレール事業の差し止め

高雄ライトレールの2期事業を差し止めた。市政府捷運工程局の局長人事も変更。差し止め区間を別ルートや高架式、地下式に変更を提唱したため、問題が長期化している。

各種施設やイベントの誘致

競馬場、ディズニーランド、早稲田大学高等部分校、フォーミュラ1、Pokémon GOのイベント、北京ダック料理選手権など、多くの施設やイベントを誘致すると表明したが、いずれも実現には至っていない。太平島での石油掘削も現実的ではないと指摘された。

観光

市の観光プロモーション強化のため、月替わりで著名人をイメージキャラクターに起用した。

八八水災被災者救済

2009年の八八水災で壊滅した小林村の被災者が求めていた賠償請求訴訟で、市の敗訴が確定。韓は上訴しないことを表明した。

防災

デング熱発症者が市内で確認された際、「中央政府は高雄市に無関心だ」と批判したが、衛生福利部は「既に予算配分と人的支援を行っている」と反論した。また、多発する市内の豪雨水害の発生直後に20時間ほど消息不明となったことで批判された。

メガポート・フェスティバル中止

2006年以降毎年開催されてきた音楽祭「大港開唱」が、市政府の支援を得られていないとして2020年の開催を中止した。

市議会質疑人数抽選制

市議会の定時（18時）閉会を目指す一環として、市議の質疑人数を抽選で絞るようになった。

市政評価

経済誌『天下雑誌』の県市長満足度調査で最下位の22位となった。

2020年総統選候補

2019年7月、国民党の総統選挙候補に選出された。総統選に向けた選挙活動に専念するため、長期休暇を取得。しかし、市政が疎かになっていると批判された。

2020年総統選挙

選挙戦では、豪宅（高級マンション）所有や、親族の採石事業問題などが浮上した。また、「高雄発大財」をスローガンにしたが、海外との覚書の執行率が低いことなども批判された。最終的に蔡英文に大差で敗れた。

市長復帰

選挙後は市長職に復帰したが、登庁初日に遅刻。党内からも除名を求める声が上がった。

罷免

2019年10月、市民団体が市長のリコールを要求する運動を開始。2020年6月6日、罷免投票において、高雄市有権者数の25%以上である93万9090票が罷免同意に投じられ、高雄市長を罷免された。

2024年中華民国立法委員選挙・立法院長へ

2024年1月、比例代表名簿順位1番として立法委員に返り咲いた。同年2月1日、立法院長に選出された。

発言

韓の発言は、たびたび物議を醸している。早稲田大学分校設立の公言や、フィリピン人を教師として採用する発言、またスイスが国連加盟国ではないとする発言など、多くの発言で誤りや問題点があった。

エピソード

自伝の印税収入問題や、過去の交通事故問題などが明らかになっている。また、インターネット上では「韓国魚」と呼ばれ、数々の風刺漫画にも描かれた。高雄市長当選直後には、ポケットモンスターの登場人物サトシのコスプレを披露。愛犬の柴犬「米魯」をコミカライズしたキャラクターを市政府新聞局などで起用した。

脚注

注釈

出典

関連項目

高雄発大財 - 韓の経済政策
眷村 - 彼は眷村出身

外部リンク

韓國瑜 (twherohan) - Facebook
韓國瑜 (@vegetable.han) - Instagram
韓國瑜官方頻道 - YouTubeチャンネル
韓國瑜 (@hankuoyutw) - X（旧Twitter）

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