立花鑑寛

立花鑑寛：柳河藩最後の藩主、激動の時代を駆け抜けた改革者

立花鑑寛（たちばな あきとも）は、筑後国柳河藩の第12代（公式には第11代）藩主として、幕末から明治維新という激動の時代を生きました。文政12年（1829年）に生まれ、弘化2年（1845年）に第11代藩主・立花鑑備の養嗣子となり、翌年家督を継ぎました。

幕末の動乱と藩政改革

鑑寛が藩主となった時代は、まさに幕末の動乱期。嘉永6年（1853年）のペリー来航を機に、深川沿岸や長崎の警備を任され、上総国沿岸の守備にもあたりました。こうした状況下、鑑寛は家老の立花壱岐を抜擢し、藩政改革を断行します。

その改革の柱は、財政再建と軍備増強でした。産業奨励のために物産会所を設置し、藩札を大量に発行して領内の商人に産物を買い付けさせ、長崎で販売することで利益を上げ、藩の財政を立て直そうとしました。軍事面では、洋式銃を導入するなど、軍備の近代化を図りました。また、行政面でも評定所を設けるなど、一定の成果を収めています。第一次・第二次長州征伐では幕府方として参戦しました。

戊辰戦争と明治維新

慶応4年（1868年）の戊辰戦争では、一転して新政府側に与し、会津若松まで転戦。この功績が認められ、明治2年（1869年）には賞典禄5000石を下賜されました。同年、版籍奉還を行い知藩事となり、明治4年（1871年）の廃藩置県に伴い、柳河を去り東京へ移住しました。

柳川城焼失の真相

明治5年（1872年）には柳川城が焼失しましたが、これは立花家伝来の宝物が新政府に没収されるのを避けるための措置だったという説があります。真偽は定かではありませんが、当時の混乱した状況を物語るエピソードと言えるでしょう。

晩年と死

明治7年（1874年）に隠居し、家督は次男の立花寛治が継ぎました。明治42年（1909年）1月24日、東京にて81歳で生涯を閉じました。

立花鑑寛の功績

立花鑑寛は、幕末の激動期に柳河藩の舵取りを担い、財政再建と軍備増強を中心とした藩政改革を推進しました。戊辰戦争では新政府軍に味方し、明治維新後の新時代を生き抜きました。その功績は、柳河藩の歴史に深く刻まれています。

系譜

父：立花寿俶
母：立花通厚の娘
養父：立花鑑備
正室：純子（徳川斉匡の十六女）
側室：静 - 関氏
長男：立花鑑良
次男：立花寛治
三男：立花寛正
四男：立花寛篤
子女多数

参考文献

「三百藩藩主人名事典4」（新人物往来社）
「三百藩家臣人名事典7」（新人物往来社）

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