竜雲

竜雲 — 雲南王の生涯

竜雲（りょう うん）は、中華民国および中華人民共和国で重要な役割を果たした軍人・政治家である。彼は、主に中華民国の滇軍（雲南軍）に属し、最終的には雲南省の政府主席として名を馳せた。彼の生涯は、多くの革命や政変、戦争に彩られており、その結果、彼は「雲南王」と称された。

幼少期と軍歴の始まり

竜雲は、彝族出身の政治家で、初名は登雲であった。彼の軍歴は、1911年に始まる。この年、彼は四川省での鉄道保護運動に参加し、その後滇軍に加入した。彼は1912年に雲南省に戻り、雲南陸軍講武学校に入学した。そこで彼は、1914年に騎兵科を卒業し、唐継尭の指揮下で軍務に従事し始める。

滇軍の中での台頭

竜雲は、唐継尭の下で着実にその地位を高めていった。彼は、下級将校として勤務しながら、1916年には近衛兵の隊長にまで昇進した。その後、唐継尭が顧品珍に追われた際も、竜は彼を支持し、滇軍の前敵司令を務めた。唐が復権した際には、竜は再び重要な役割を果たし、滇軍第5軍の軍長に任命された。

内政と外敵との戦い

1927年に発生した「2・6政変」では、竜雲は同僚の胡若愚らとともに唐継尭を失脚させるが、その後の内紛に巻き込まれ、拘禁される。「6・14政変」においては、竜は左目に負傷を負ったが、彼の支持者たちによって奪回され、再び権力を握った。

その後、彼は国民政府からの信任を受け、雲南省政府主席に就任し、経済や教育など多くの分野で近代化を進めた。彼の統治が評価される一方で、戦争中の日本との関係においても積極的に抗戦を推進し、その指揮の下で滇軍が日中戦争において重要な役割を果たした。

中華人民共和国での新たな役割

しかし、戦争が進むにつれて、竜雲は蔣介石の中央政府からの干渉に不満を抱き、1944年頃には中国民主同盟に秘密訪問し、中国共産党との関係を深めた。これが蔣介石に対する脅威と見なされ、最終的に1945年に権力から排除された。

彼はその後、南京に3年間軟禁されるが、1948年には香港に逃亡し、中国国民党革命委員会に参加。中華人民共和国の成立後は、政府の重要な役職を歴任し、1950年には新政府に参加した。その後も多くの重要なポストを経験したが、1957年に反右派運動で批判を受けることになった。

晩年と評価

1962年に北京で死去した竜雲は、77歳であった。死後、彼の「右派」としての評価は見直され、1980年には名誉が回復された。彼の生涯は、政治的な波乱に満ち、多くの歴史的事件を透過している。彼は今もなお、「雲南王」として多くの人々に記憶されています。

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