章明親王

章明親王について

章明親王（のりあきらしんのう）は、平安時代前期から中期にかけて活動した重要な皇族であり、醍醐天皇の第十三皇子である。彼の官位は二品・弾正尹であり、その生涯にはさまざまな歴史的な出来事が関わっている。

経歴

章明親王は、延長8年（930年）に、靖子・英子内親王と共に親王宣下を受けた。当時健康を害していた醍醐上皇が崇い恩典としてこの宣下を行ったことから、通常であれば親王としての位置にはなかった章明が、皇族の一員として名を挙げられることとなった。当時の状況は、彼の未来を大いに左右するものであった。

さらに、天慶2年（939年）には京極亭で元服を果たし、これにより彼は成人としての地位を確立した。その後、村上朝においては上総太守、大宰帥、兵部卿などの官職を歴任し、特に『蜻蛉日記』には兵部卿の宮として登場し、藤原兼家や藤原道綱母とともに歌を交わしたことが記されている。この時期においては、詩歌の交流が盛んであったことがうかがえる。

一条朝の寛和3年（987年）には弾正尹の官職に就任し、政治的な影響力を持つようになる。しかし、彼の人生は正暦元年（990年）9月22日に薨去するまで、67年という短いものであった。彼の最終官位は二品の弾正尹であり、彼の役割は当時の政治においても重要なものとされていた。

官歴

章明親王の官歴は、次のようになっている。

• - 延長8年（930年）9月29日：親王宣下
• - 天慶2年（939年）8月14日：元服
• - 天暦4年（950年）10月8日：見上総太守
• - 天徳3年（959年）2月22日：見大宰帥
• - 応和2年（962年）5月：見兵部卿
• - 寛和3年（987年）2月19日：見弾正尹
• - 正暦元年（990年）9月22日：薨去（二品弾正尹）

これらの官歴は、章明親王の豊かな政治経験を物語っており、特にその地位から推測するに、当時の政局において重要な役割を果たしたことが明らかである。

系譜

章明親王の家系は、その政治的影響力や血筋から見ても非常に興味深い。彼の父は醍醐天皇、母は藤原桑子（藤原兼輔の娘）であり、さらに妻には藤原敦敏の娘を持つ。子女に関しては、隆子女王や済子女王などが知られており、また母親不詳の子女としても男子たちが存在する。特に、源尊光、源近光、尊仁といった男子たちが彼の血を引くことからも、章明親王の系譜が後の時代に及ぼす影響は計り知れない。

参考文献

• - 角田文衛監修『平安時代史事典』（角川書店、1994年）
• - 『尊卑分脈 第三篇』（吉川弘文館、1987年）
• - 宮崎康充編『国司補任 第三』（続群書類従完成会、1990年）

章明親王の生涯は平安時代の文化や政治を知るうえで、欠かせない存在であり、その影響力を今後も探求していく必要がある。

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