童夢・RC-83

童夢・RC-83 とトムス・83Cの概要

童夢・RC-83は、童夢が1983年から1984年にかけて全日本耐久選手権やル・マン24時間レースに参加するために開発したグループCカーです。このモデルは、同じく1983年にデビューしたトムス・83Cと姉妹関係にあり、両者は共通のプラットフォームを共有しながらも、それぞれ異なるエンジンを搭載しています。

RC-83のデザインと性能

童夢は、過去のセリカCでの経験を踏まえて、RC-83ではグラウンド・エフェクトを積極的に活用した設計を採用しました。これは、車両の空気力学的特性を最大限に引き出し、コーナリング性能の向上に寄与する手法として知られています。エンジンにはV型8気筒のフォード・DFLを搭載し、この強力なパワーユニットがRC-83のパフォーマンスを支えています。

デビューと初期のレース

RC-83は1983年の富士1000kmをデビュー戦として迎えましたが、31周でリタイヤする結果となります。次の鈴鹿1000kmでは、予選3位を獲得しましたが、決勝ではトップから5周遅れの4位に終わります。WEC-JAPANでは、予選を10位で突破し148周を走行したものの、規定周回数には達せず、完走には至りませんでした。レースの後半では、富士500マイルレースにおいて7位でフィニッシュを果たしました。

改良と次のステップ

1984年には、改良版である童夢・RC-83iが鈴鹿500kmに出場します。ここでも予選は5位となったものの、決勝には棄権したため、十分な戦績とは言えませんでした。また、ル・マン24時間レースでは予選で速さを見せたものの、大クラッシュに見舞われ、結局レースには出走できませんでした。

トムス・83Cの特徴

トムス・83Cも同じく1983年に富士1000kmでデビューしましたが、こちらはトヨタ・4T-Gエンジンを搭載しており、世界ラリー選手権（WRC）用エンジンの実車開発としても位置づけられていました。鈴鹿1000kmでは、ポルシェ・956から3周遅れの2位入賞を果たし、WEC-JAPANではエンジンのオーバーヒートが原因で炎上し出走を断念する一幕もありました。トムス車もRC-83のフロントカウルを借りてレースに復帰するなど、異なる困難に挑戦した経験があります。

次の世代への道

1984年の鈴鹿500kmでは、中嶋悟がドライブしたトムス・83Cがポールポジションを獲得。次のモデルである84Cからは、童夢車もトヨタエンジンを使用することになり、外観での違いも無くなります。このように、童夢・RC-83及びトムス・83Cは、共にグループCカーの歴史に名を刻みながら、進化を遂げていったのです。

結論

童夢・RC-83とトムス・83Cは、1980年代における日本の耐久レースシーンで重要な役割を果たした車両です。その独自の設計思想と技術は、後継モデルにも引き継がれ、なお一層の発展を見せることになります。

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