竹下節子

竹下節子は、1951年生まれの日本の文化史家、評論家、そしてバロック音楽奏者です。現在はパリに在住し、ヨーロッパの文化や思想に関する研究・執筆活動を精力的に行っています。

学歴と研究分野

1974年に東京大学教養学部教養学科フランス分科を卒業後、1976年に同大学院比較文学比較文化専攻修士課程を修了しました。その後、博士課程を経てパリ大学博士課程、高等研究所へと進み、カトリックやエゾテリスムの歴史を専門として研究を深めました。

著書と活動

竹下氏の最初の著作は、友人である中沢新一の勧めによって書かれた『パリのマリア - ヨーロッパは奇跡を愛する』です。この著作をきっかけに、宗教思想史や神秘思想史といった分野で多数の著書を執筆し、幅広い読者層に支持されています。

著書には以下のようなものがあります。

『ヨーロッパの死者の書』（ちくま新書）
『聖女伝 - 自己を癒す力』（筑摩書房）
『ジャンヌ・ダルク - 超異端の聖女』（講談社現代新書、講談社学術文庫）
『聖母マリア -〈異端〉から〈女王〉へ』（講談社選書メチエ）
『ローマ法王 - 二千年二六五代の系譜』（ちくま新書、中公文庫、角川ソフィア文庫）
『キリスト教（知の教科書）』（講談社選書メチエ）
『フリーメイスン - もうひとつの近代史』（講談社選書メチエ）
『オカルト2.0』（創元社）

これらの著書からもわかるように、竹下氏はキリスト教、聖母マリア、ジャンヌ・ダルク、ローマ法王、フリーメイスンなど、西洋の宗教、思想、歴史に関するテーマを幅広く扱っています。その研究は、単なる歴史的事実の紹介にとどまらず、現代社会における宗教や思想の役割について考察を深めるものでもあります。

執筆活動の他にも、室内楽アンサンブルのグループを主宰するなど、多様な文化活動を行っています。また、ドン・ボスコ社出版の月刊『カトリック生活』に「カトリック・サプリ」を連載するなど、幅広い分野で活躍しています。

家族

兄はイスラム思想研究者の竹下政孝です。

翻訳

『聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ』（カトゥリン・エティヴァン, キャロル・モンマルシェ, アン=マリー・ストル、ドン・ボスコ社） 2000
『聖カタリナ・ラブレ』（マリー=ジュヌヴィエーヴ・ルー, エリザベット・シャルピー、ドン・ボスコ社） 2001
『聖ルイーズ・ド・マリヤック』（ジュヌビエーブ・ルー, エリザベス・シャルピー、ドン・ボスコ社） 2002
『聖骸布の仔』（ディディエ・ヴァン・コヴラルト、中央公論新社） 2006
『自由人イエス - もう一つのキリスト論』（クリスチャン・デュコック、ドン・ボスコ社） 2009
『マリアのおはなし』（マイテ・ロッシュ著絵、ドン・ボスコ社） 2013

外部リンク

竹下節子ブログ
竹下節子公式サイト

竹下節子は、その豊富な知識と鋭い視点によって、西洋文化の深層に迫る研究者であり、評論家です。今後の活躍も期待されています。

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