竹久千恵子(たけひさ ちえこ)は、
1912年3月6日に
秋田県で生まれ、
2006年9月14日にハワイで亡くなった女優です。本名は河上千恵子(かわかみ ちえこ)、旧姓は煤賀(すすが)です。
9歳で上京し、小松川高等女学校(現在の東京都立小松川高等学校)に入学しましたが、15歳で映画界入りを決意し中退しました。
1930年、18歳でエノケン一座のカジノ・フォーリーに参加し、
竹久夢二にちなんだ芸名で活動を開始しました。
1930年代から
1940年代にかけて、竹久千恵子は多くの映画や演劇に出演し、知的な雰囲気を漂わせるモダンガール女優として、特に学生たちから高い人気を集めました。主な出演作品には、エノケンと共演した『エノケンの森の石松』や、
高峰秀子の母親役を演じた『馬』などがあります。
『馬』出演後、竹久千恵子はアメリカに渡り、
日系人で
同盟通信社の記者であったクラーク・カワカミ(在米ジャーナリスト
河上清の息子)と結婚しました。しかし、日米開戦のため
1942年に第一次戦時
交換船で帰国を余儀なくされました。
第二次世界大戦終結後、竹久千恵子は女優業を引退し、夫と共に再びアメリカへ渡り、晩年はハワイで過ごしました。
2006年9月14日、
脳卒中のためハワイの病院で94歳で生涯を閉じました。
主な出演作品
映画
あるぷす大将(1934年)
坊つちやん(1935年)
魔術の女王(1936年)
兄いもうと(1936年)
家庭日記 前後篇(1938年)
エノケンの森の石松(1939年)
馬(1941年)
安城家の舞踏会(1947年)
風の子(1949年)
東京ルムバ(1950年)
関連書籍
香取俊介 『モダンガール 竹久千恵子という女優がいた』
筑摩書房、1996年 ISBN 4480885013
鶴見俊輔・加藤典洋・黒川創 『日米交換船』新潮社、2006年 ISBN 4103018518
鳥居英晴 『国策通信社「同盟」の興亡 通信記者と戦争』
花伝社、2014年 ISBN 9784763407085
古森義久 『嵐に書く 日米の半世紀を生きたジャーナリストの記録』講談社、1987年。義父・河上清伝
外部リンク
日本映画データベース 竹久 千恵子